『全国高年齢者学力検査』

『全国高年齢者学力検査』

　『これは、おとぎ話しです。』🐈

　『なんでまた、いまさら試験なんだよ。』

　やましんが、不満を隠さず言ったのです。

　『そりゃ、この、目的というものが、ほんとにすべてにゃんかどうか、にゃん。』

　ねこママが答えました。

　『高年齢者の学力を確認することにより、若い世代の教育のありかたを、検討するものである。にゃん。』

　『なんだか、ギャグみたいだ。』

　『ぽ。やましんさん、ぼくの掴んだ情報は、かなり、衝撃的、ぽ。』

　もと、スパイはとの、はとさぶろが言い出しました。

　『なんだい、それは。』

　『各官庁では、密かな革命が、すでに、進んでいるぽ。45 歳以上の職員の多くは、事実上の権限は縮小され、それ以下の職員が、実権を握った、ぽ。議員たちの中でも、中高齢議員さんの排斥が進んでいる、ぽ。中心で推進しているのは、保安隊統一本部の、中島中佐、40歳と、内閣省の天才官僚、玉子崎部長、38歳。宇宙統一党の、真米議員、28歳、柏原副首相、40歳、など、ぽ。』

　『なんのために。』

　『老害の除去、社会の刷新。すでに、官庁や、議会では、密かに試験が行われた、ぽ。基準に達しない人は、権限を奪われる。さらに、間もなく、官庁では、試験が悪かった人は、免職となり、議員さんは、強制自主引退となる、ぽ。で、つぎは、一般国民ぽ。』

　カージンゴが追加しました。

　『保安隊が、今夜、クーデターするか〰️！』

　『ばかばかしい。この国では、クーデターは、無理だよ。』

　『いや。宇宙ごきが、背後にいるごき。』

　ごき大将が現れました。

　『ついに、ときは、きた。ごき。宇宙ごきと、地球ごき、それに、選別された人類による、独裁的民主主義の始まりごき。』

　『ど、独裁的民主主義、って、なに？　それと、試験に何の関係があるの。試験が良くできても、ごきの味方するとは限らない。』

　『やましんさんは、アホなわりに、核心を突くごき。この試験は、早いはなし、良くできるから成績が良いとも限らないごき。強いものに、ちゃんと、付いてゆく性格かどうか、みる。ごき。』

　『なんか、あほらしいなあ。それは、性格検査みたいなものかい。』

　『宇宙ごきと、地球ごき、共同研究によるものごき。まあ、やましんさんは、ここの、地主ごき。悪いようにはしない、ごき。気楽にやってきなさい、ごき。じゃな、ごき。』

　ごき大将は、床下に消えた。

　『やましんさん、欠席しないほうが、よい、ぽ。印象が、悪くなる、ぽ。』

　『あのね。ぼくは、そういうの、大嫌いなの。』

　やましんは、反発しました。

　『帰って、寝る。』

　やましんは、憮然として、自宅に上がりました。

　『ふ〰️〰️〰️〰️〰️！』

　ねこママが、うなったのです。

　　　　　　　　😸

　翌朝、やましんが起きると、お布団の周囲は、何万ごきもの、ごき軍団に囲まれていたのです。

　旗をもってるごきもあります。

　大砲を曳いてるのもいます。

　なんだか、ごきではないような、怪しいのもいます。

　雰囲気的には、ボスの『快楽の園』みたいな様相です。

　『うわたあ。これは、地獄か、ロビンソン・クルーソーか。』

　ラジオでは、なにやら、演説が始まっております。

　『われわれは、われわれの、われわれが、われわれすることにより、いまや、われわれこそ、われわれなのです。』

　朝食の準備は、すでに、できていました。

　たくさんの、地球ごきを従えて、やましんは、台所に現れました。

　ねこママが、出てきて、こう言ったのです。

　『栄養満点にゃ。』

　多数のごき軍団に囲まれ、食べないなんて、言えそうにないです。

　それに、けっこう、美味しかったのです。

　食事がすむと、タキシード姿のごきが現れました。

　『試験は、普段着で結構です。』

　その、タキシード姿の、ごきが、さらに言いました。

　『今日から、やましんさんの執事を勤めます、ごき左衛門忠助にございます。お着替えが済んだら、ご出発です。表に、リムジンが参っております。』

　『悪い夢だよな。絶対に。』

　しかし、これは、夢ではなかったのです。

　『やましんさん、このさきは、夢のような生活になるにゃん。』

　ねこママが、言いました。

　やましんは、さらに、何十万という、ごき軍団に囲まれて、盛大な歓声のなかを、試験会場に向かいました。

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