第4話

第四話

「今度、俺らと水族館いかね?」

 とお誘いする男子2人がいた。名前は確か、青木と山田だったけ?2人とも明らか茜ちゃんと咲夏ちゃん狙いだ。

「もしかしてそれって最近できたとこ?」

「そうそう。」

「そうなんだ。」

 茜ちゃんが男子と水族館の話で盛り上がっているし、私と雪村は蚊帳の外。雪村と話をする。

「青木と山田って2人のこと狙ってるよね?」

「え?青木と山田?赤木と田中でしょ。無関心すぎ。」

私はどうやら名前を間違えてたみたいで雪村が大笑いする。仕方ないじゃん。興味ないんだから。

「青木と赤木、惜しくない?山田と田中は似てるし!」

 訳のわからない言い訳を並べる。そしてまた雪村は大きな声で笑ってる。独特な引き笑いが起きる。

「なんでそんな笑っているの?」

 雪村の笑い声に反応して咲夏ちゃんがにこやかに首を傾げながら聞く。男子が近くにいるから私は咲夏ちゃんの耳元に顔を近づけてコソコソと言う。

「あの男子たちって青木と山田だよね?」

「ち、違うよぉ〜。わっはっは。」

 咲夏ちゃんも笑ってしまう。涙が出るほど笑ってる。咲夏ちゃん、ツボが浅すぎる。え?てか咲良ちゃんの髪の毛いい匂い。え?待って?匂いが好きすぎる。

 そんな変態みたいなことを考えていたら……

「今週の日曜日、みんなで水族館ね!」

茜ちゃんにそう言われ、男子2人が私の方を見てくる。お前は来るなよって言ってるのか。何故か小さい時から男子に嫌われるんだよね。というかどっちが赤井か山田がわからない。茶色のツンツンと黒髪マシュ。

「日曜はちょっと……。」

「わたしもパスだな。」

 私と雪村が断りを入れると男子はニヤニヤ笑っている。感じが悪すぎる。

「そっか。じゃあ……4人で行こっか。」

 茶髪がそんなことを言い出して私には関係がないので、4人から離れた所に雪村と移動する。

「やーなやつら!」

雪村がそんなことを言うのでそうだねと返事をする。日曜は予定は何も無いけど断った。なんかあの2人苦手だ。私、奴らに嫌われるようなことしたかな?まぁ、どうでもいいけど。

「咲夏ちゃん、いい匂いすぎてなんのシャンプー使ってるのか気になる。あの匂い、好き過ぎる。」

「え、変態いる。」

 雪村には変態とは言われたくなかった。私は水族館のことよりもこっちの方が気になって雪村との会話はほぼ匂いについての話になった。

 

「本当に来れないの?水族館。」

 そんなことを咲夏ちゃんに聞かれたのは、金曜の掃除の時間だった。私と咲夏ちゃんは教室担当。私たちとあと数人で掃除をしている。

「んー、行かないかなぁ。」

「そうなんだ。」

 少ししょんぼりする姿を見てちょっと嬉しいなと思ってしまう。だってこんな可愛い子に残念がられるのって嬉しいよね。

「どしたの?行きたくないの?」

「水族館には行きたいけど……うん、大丈夫。楽しんでくるね。」

 そう言って咲夏ちゃんは淡々と掃除をし続けた。なんだか引っかかった。

 

 

 

 

 

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