第84話 幻の雪

こんな真夏の暑い夜に、雪が降るのはなぜだろう。私の見る夢なのか。あなたの歌う歌なのか。街の片隅でギターの音色が聞こえる。孤独と孤独が煙になって夜空に絡んだら、錆びた歯車も回り出す。肩を並べて幻の雪を見る。二人だけの夏の雪。愛も人生もきっと夢だよ。目が覚めるまで、ずっと眺めている。

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