第79話 満ちる

空っぽの朝。満たされたあなた。半分だけの私。覗いてみれば、ラムネ瓶に青空が透ける。弾けて消えたファンタジー。半月に届いた祈りの言葉。耳の奥で泡の音が聞こえる。冷たい窓の外で咲いた季節外れの花。小さな水滴を集めに集め、一筋に落ちていく雫。やっと私も満たされた。繊細な光に目を打たれ。

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