第64話 毒とナイフ

黒く濁った心を切り裂いて、毒を舐めろ。銀のナイフ越しに君は笑うだろう。私の醜い生き様と綺麗ではない眼差しを。正しい道も分からない。歩き方も分からない。ただ一つ、ナイフだけが私の人生に寄り添っている。解毒薬はいらない。命ある限り、毒の満ちたこの世を生きる。無情に、冷たく、不器用に。

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