短編集め

@KAGEN_fantasy

短編 1 「我」


 ゲーミングパソコンの前に座ってキーボードを叩く。画面に羅列されていく文字列に自分がやっと物語を書き始めたのだと安心した。横のディスプレイでは日本の有名な曲のMVが流れている。曲からインスピレーションを受けることはあれど、同じ曲をヘビーローテーションしていても意味ないのではないかと思ったこともある。

 ボクはファンタジーが得意だが、今回はファンタジーから離れてみると仲間に言った。ただ、また何も思いつかずに1週間が経過しようとしている。これを読んだ仲間の微妙な顔が目に浮かぶ。もう1年半は顔を見ていないが。

 ここまで読んでもらってわかったことだろう。この話にはオチはない。ただ週一で開催される批評会みたいなやつの前日になんとか1作品は書き上げねばと焦った実力もない作家の卵が血迷った結果である。もういっそこれをネタにしてしまおうだなんて中学生でも考えつきそうな簡単なネタである。

 ほら、ここまで400文字弱。もう書くネタが無い。

 病弱だとか、突然女の人と心中しようとするとか、邪智暴虐の王をどうにかしようとするとか、そんな劇的な人生を送っていたらそのまま書いても面白いんだろうが、如何せんかなり健康な体を母からもらってしまったし身分は高くも低くもない。そもそもこの国に王はいない。

 現在2時前、4時くらいに予定があるから2時間位は話題をひねり出してみようと思う。

 そういえば、コントロールとSで保存する癖がついていて自動で保存するサイトを使っているときでも押すようになった。

 実は1つ書きたいことがあるが、それはあまり自慢することでもないし書かないことにする。

 1つだけ先に言っておきたい。次に出す短編こそこんなものじゃなくて短編らしい短編を出す。

 ものすごく天気がいい。水色な空と白の濃淡で描かれた雲、表現を考えながら室内から空を見ていたら少し目がくらんだ。

 これを書いたのは夏だ。読む人がいつ読むかわからないから明記しておく。

 こっちではそろそろセミが鳴き始め、MVの音楽にセミの声が混じり始めている。


 ところで、君たちがこの世界を夢ではないと認識するのはいつだ?

 眠りから覚めたときかい?私は夢の中で眠りから覚めたことがあるよ。

 たぶんこれは世界5分前仮説と同じで、議論しても証明も反証も出来ないのだろうが。この際、現実という夢ではない状態があるとして、私はトイレに行くとわかる。

 トイレに入って、して、出てこられれば現実だと理解できる。正確には、私はトイレをしている間に果たして自分が夢にいるのか現実にいるのかわからなくという、危ない薬でもやっているのではないかと疑いたくなる感覚に襲われるのだ。

 原因はわからない。正直疲れでもストレスでも幻覚でも気の所為でも何でもいい。ただ、昔、小学生だった頃にトイレに行く夢を見ている途中で起きておねしょをしてしまっていたということが何度もあるから、無事トイレに行って目覚めることなく出てこられた時は現実なのだと感じるのだ。

 果たして、これを読む君は本当に現実か?夢の中でこんな明白な文章が読めるかと言われると確かに一理ある。

 そういえば夢の話でもう1つ。私は追いかけられるタイプの悪夢を見ることが多かった。カラス、犬、見知らぬ人に始まり影やホラーゲームに出てきそうな大きな化け物に追いかけられることもあった。魔女と呼ばれていた体の大きな不気味な女の人に追いかけられたこともある。

 調べてみれば、追いかけられる夢はストレスやプレッシャーのせいらしい。なるほど。小さい頃の私は期待され頑張っていたが、達観した今は追いかけられる夢を見なくなったということか。合っているかもしれない。


 さぁ、ここまで思いついたことを書き殴ってきたが、飽きたのか20分くらいスマホをいじっていた。SNSの魔力はすごい。もはやファンタジーだ。時間を飛ばせる。

 もうこの辺でいいだろうか。まだ2時間は経っていない。

 来週は頑張るよ。もう少しでも書いたことを褒めてくれ。

 作家、マンガ家なるものは比較的ルーズで怠惰な人物が多い気がするが何故なのか。せめて締め切りくらいは守れるくらいの普通くらいの作家になりたい。生憎、平均+2くらいが得意なんだ。

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