第4話 おいらは村に帰ってきたじょおお!!
「怖かったじょおおお!!!
うぇーん!!!」
「おお!無事に帰ってきて良かったなあ!!今日は俺んちで飯くってけ?」
ゴブリンを倒して泣いてると村の村長が血相変えてやってくる。
その手には鍬を握り辺りを警戒していたが、何もいないと気付くと少年に心配した表情で駆け寄ってきた
ゴブリンと戦った場所は村のすぐ近くだったので近くにいた村長が少年の泣き声が聞こえて助けに来てくれたのだ。
少年が上質なマフラー、靴、そして小さな村ではあまり見たこと無いような立派なナイフを持っていることに村長は不思議に思ったが、ご飯を食べながら聞けば良いか。と思い少年の手を引きながら帰っていくのだった。
「美味しいじょおお!!
お代わりほしいじょおお!!」
「ははは!チビは沢山食べるなあ!!ほれ!」
村長の家でご飯を食べながら今日起きた事実を話をした。
「肉が!肉がなくなったんたんだじょおお!!
そしたらコレがぽんって!出てきたんだしょ!」
「ははは!良かったなあ?天恵を得たのか!?
やっぱりチビは【神に愛されてる】んだなあ?」
「コボルトがいたんだじぉおお!
子供のコボルトで後ろから石でドンって!ドンってしたんだじょおお!!」
「ははは!多分それはリトルコボルトだな!運が良いなあ!!!」
「ゴブリンもいたんだじょおお!!怖かったじょおおお!!!」
「それは危険だな………ああ。その靴が【スタン】の効果があるんだな?
チビ!お前はでっかくなるぞおお!!」
「沢山食べてでっかくなるじょおお!!」
「ははは!そういうことじゃないがどっちにもでかくなるんだそ!!」
「太っちょにはなりたくないじょおお………」
「【どっちにでも】ってそういう事でもないんだけどな?ははは!」
楽しい時間が過ぎていく。少年は村の大人達を本当の家族のように思っていた。
「本当に帰るのか??今日は泊まっていけば良いんじゃないのか?」
「ダイジョブだじょおお!お家帰らないとパパもママも寂しがるから帰るんだじょお?」
「………そうか!それじゃあ気を付けて帰るんだぞ?何かあったらいつでも呼ぶんだぞ?」
「はーい!!御馳走様だじょおお!!」
村長が笑顔で少年を見送るがその顔には寂しそうな、悲しそうな表情も見え隠れしていた。
少年は村の皆を家族のように思ってはいる。
でも本当の家族ではないのだ。
本当の家族はもうどこにもいないのだ。
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