小さな村の少年はモンスターを倒すと願いが叶うのでした。

ウメとモモ

第一章 天恵を得た幸運な少年

第1話 名無しのおいらは神様からの恩恵をもろたじょー!


小さな村に名無しの男の子がいた。


その少年は家族5人が軽々と住めるような一軒家に1人住んでいる。


「行ってきます!だじょ!」


仏壇に手を合わせてお祈りする少年。




「今日もキノコを取りに行くじょー!!」



まだ子供の名無しの男の子は村の為に少しでも役に立とうと畑の仕事を手伝ったり荷物運びをしたりとがんばり屋の少年だ。



今日も名無しの少年は村の為に森の中に食材を探しに出掛けていった。



「モンスターには気を付けるんだぞー?」



「あまり深いところに行っちゃだめだからねー!?」



「何も見つからなくても良いから元気に帰ってこいよー!!」




村の皆は親のように名無しの少年を心配して森へと送り出していった。





「はーい!夕方には戻るじょー!!」



そんな村の人達に笑顔で手を振る名無しの少年



名無しの少年が住んでいる場所はそろそろ冬が来てしまう。


冬がくると植物がなくなり動物もエサが少なくり凶暴化してしまうので名無しの少年はそれまでに食べ物を確保しようと必死だった。




「んお?何かいるじょお?」



キノコや食べれる植物を探していた少年は足を怪我した子供の猪がヨタヨタ歩きをして森の奥へと進んでる所に遭遇する。


「んおー………足を怪我してるじょお?」



親がいない子供の猪を見つめる少年。どこか親のいない自分とその猪を重ねてるのか目は少し潤んでるように見える。





「肉だじょおおお!」







しかし可哀想に思う前に少年は村に新鮮な肉を持って帰れることの方が重要だった。


近くに落ちている少し大きめの石を持ち猪の頭を目掛けて殴り付ける少年。



「肉だじょ肉だじょ肉だじょおお!!」



「ブ、ブヒィィ………ィィ。」



何度も殴り付けると猪は動かなくなった。



少年は生物を殺害するのは今回が初めてだ。普通なら命を奪うということに嫌悪感や恐怖感を覚えるものだが、少年は微塵も感じていない様子だ。


「にーく!にーく!に・く・だ・じょ・お・お!


………お?」




【討伐生物のアイテム化の天恵が発動しました。】




少年の頭の中に声が流れる。



その声が流れるのと同時に子供の猪は上質な毛皮のマフラーへと変化した。



これはこの少年が初めて自分の持っている【天恵】が動作した瞬間だった。





「にくううううう!肉があああ!!なくなったあああああじょおおおお!!!!」




【天恵】という神様の贈り物。100人に1人しか得られないと言われた物よりも少年は目先の新鮮なお肉が大事だった


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