ヘッドスライディング

わちお

第1話

「キャプテン!」

いつだろうか、この言葉を嫌いになったのは。


しかし残念なことにこの僕、オサムは野球部のキャプテンだった。呼ばれて振り返ってみるとそこにいたのは後輩のユウキだった。


人懐っこく素直で元気のいい眩しいやつだ。ユウキは僕にこう言った。


「キャプテン、もうアップ始めますか?」


それがどんなに簡単な決断だったとしても、それはチームを動かす決断になるのだ。


真夏の日光の熱が黒いスパイクに容赦なく刺さるのを感じながら僕は


「あぁ、もう始めるぞ」

と一言告げた。


 もう一度言う。僕はキャプテンだ

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