第14話 お金がない
武器を買おうというわけで武器屋へ。
街中に武器屋がゴロゴロあるっていうのもゲームっぽい。
現代日本じゃ古物商はあるが武器屋はちょっとない。ああ、でも銃砲店はあるか。猟だったりクレー射撃だったり?爺さんの友達が銃持っててイノシシ撃ってるとか言ってたな。ある所にはあるという事か。
行ったことないけどアメリカなら銃屋さんがゴロゴロしてるんじゃないか?うーん??
などと考えながら武器屋さんへ。
「いらっしゃ…領主様!坊ちゃん!そ、それにそちらはもしや…」
「おう。精が出るなゴンゾ!こちらはアシュレイ姫だ!(ドヤァ」
「おおっ、やはり…姫様!私はゴンゾと申す鍛冶屋でございます!」
「ああ、ゴンゾか。覚えたぞ。私は今日はカイトの武器を見に来たのだ。よろしく頼む」
「へへえー!」
あれ?
なんか俺の時と対応違うくね?
つーか前俺がマークスと覗いた時なんて『どうせ買わねえんだろ?』って顔してたよね??まあいいんだけどさ。
「俺が使えそうな武器はあるか?」
「うーん、坊ちゃんの体なら…この辺ですかねえ」
そう言って見せてきたのは短剣だ。短剣と言っても俺の持ってる子供サイズの木刀よりちょっと短いくらい。短剣をよーーーく見てみる
エリュマントスの短剣 作成者 ゴンゾ
耐久値300
ATK+40 MATK+10 虫、植物型に対してダメージ+30%
「エリュマントスの短剣か…ってゴンゾが作ったのか」
「坊ちゃん分かるんで!」
「ふふ、まあな。」
ドヤア!と大きく鼻を膨らませる。
しかしこの短剣、悪くないんじゃないか。
エリュマントスの短剣とあるが、エリュマントスというのはカマキリ型のモンスターだ。
その鎌部分を加工して作ったのだな。
アシュレイの武器に比べりゃ弱いし、虫と植物に対して特攻があるって…正直虫と植物かよ、もうちょい他に無いのかってところはある。だが、そこらにおいてある鉄の剣がATK+60程度だ。
ああ、勿論大人サイズの剣での話だ。短剣なら攻撃力は下がるのが普通だし。
そう考えりゃ悪くない。
「悪くないな。ゴンゾ、これいくら?」
「こちらは100万ゼニーになります」
「たっか!」
「特殊効果もありますので…」
「まあそうだな。それは分かるんだけどな」
しかし高い。さっきまで狩って手に入れたお金は10万ゼニーちょっと。
体感2~3時間の狩りで10万円と思えばいい金額かもしれんが、3人パーティーで、しかも一人は明らかにオーバースペックな人材だ。でもそこまでやって10万。
そして短剣は100万。
10日頑張れば買えると取るか、それとも10日かかると取るか。
そもそも収入独り占めして10日だ。イカン。
親父を10日レンタルすればいいが、親父をレンタルできるなら遠征させてりゃいいんじゃないか。
よくある放置ゲーの遠征コマンドを使えばいい。
勝手にお金や物資を持って帰ってきて、何ならレベルまで上がるアレ。
まあ素晴らしいと思うが、明らかにマズい。
親父だって一応領主の仕事があるはず。
こんな平日の昼間に部下にホイっと押し付けられるような程度の仕事だが、それでもちょっと金稼いで来いよって使うわけにはいかんだろう。
いかんか?…まあダメだろな。
うーん、まあどっちにしろダメだ。
だってお金が足りないんだもん。諦めて金稼ぐ方法を考えよう
「お金溜めて出直します」
「またのお越しを!」
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