家族愛センター【2】

 とある学校の部室。

 荒神あらがみ れんはあるうわさ話を耳にし、それを友人である天生目あまのめ やまとに語る。


「“家族愛センター”っていう老人ホームなんだが、実はこの施設はただの老人ホームではないらしい」

「は? じゃあなんだ?」

「老人廃棄施設。現代の“姥捨て山”だ。家族から見放された老人たちはこの施設に入れられ、使えそうな内臓やらはバイヤーに買い取ってもらう……らしい」

「らしいってなんだよ。らしいって」

「あくまで“うわさ”だからな。その施設がどこにあるのかもはっきりしてない」

「場所がわかんねぇと、調査できねぇだろ。却下。無しだ、無し」

「興味のある都市伝説だと思ったんだがな……」


 うなる斂に、倭は「都市伝説ってほどじゃねえだろ」と告げる。


「現に、この国は年寄りで溢れかえっているんだから」

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