第37話 お姉ちゃんの暗記力

身内自慢しても自分が凄いわけでは決してないので意味ないのですが、うちのお姉ちゃんって暗記力が強いのね。記憶力じゃなくて、暗記力。特に短期集中力ってやつ。例えばの一通りの運転免許持ってるんですけどペーパー試験日当日に答え覚えて満点取ってくる奴なんよ。これはまぁ、なんか出来そうな雰囲気あるじゃん?


でもね、シャッフルしたトランプの絵柄と数字を1時間で2セット分丸暗記出来たりするんだよ。…おかしくね?実際に言ったの「おかしくね?」って。なんか本人が言うには覚えるコツがあるみたいで、クローバーが木で、ハートはチョウチョで、1は鳥で、2はヘビみたいに例えていって頭の中で物語を作っていくんだって、私とかがさトランプ覚えろって言われたら1枚ずつマークと数字で覚えるんだけど、最初から違うんだよね。ベラベラと本を読む感覚でめくってときどき変な物語になってんだろうねヘラヘラ笑いながらやってんのよ。「私のようにやれば覚えられる」って言ってるけど出来そうにない。


私って小さい頃に漢字が好きでポケモンみたいなノリでずーと漢字を読んでたから漢検薦められて1級持ってるのね。数少ない自慢だったんだけど今じゃさっぱり読めなくなったんですけどね(笑)実際ね、そうそうやれるもんじゃないと思うの。私は何年も漢検読んでたから実際の試験自体は1発だったけどもさ。


お姉ちゃん色んな資格を取るのが好きな所があって、ノリで漢検やり出したの。そんなやれるわけないと思ってたの。取り敢えず1週間、時間ある時に勉強しただけで受かったの。私はそのときには既に名ばかり漢検1級だったんだけどすげぇ!ってより悲しかったよね。こんなにアッサリ受かられてしまってさ。天はコイツにどんだけ才を与えるんだよって思ったよね。


私は勉強で問題解いたり分かりやすくまとめたりってよりは文章そのまんま暗記型だけど、ちょっと次元が違うのよね。でも長くやってるから頭のどっかで染み付いてると思いたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る