2022/07/28
BGM: Lenny Kravitz "Stand By My Woman"
今日は早番だった。お昼休みに弁当を買ってフードコートで食べた。その時、何となくジョージ・マイケルの『Faith』というアルバムを聞き返した。実を言うと今、私自身の性にまつわる思い出についてカクヨムというところで書き始めているのだけれど(エッチな作品なので、読まれるなら注意して読んで下さい)、その際にこのジョージ・マイケルにこの小説(?)を捧げることにしたのだ。『Faith』は清らかなアルバムで、中にはハジけた過激な曲もあるのだけれど、実に完成度が高いポップでソウルフルな作品だと思う。高校生の頃によく聞き返したことを思い出す。
最近は音楽の好みはすっかりこのジョージ・マイケルや、他に90年代を彩ったアーティストの音楽に戻ってしまったようだ。スウェード、ブラー、オアシス……20代の頃には想像もつかなかったが、この歳になってしまうと感性の衰えは隠せないようだ。今第一線で活躍しているアーティストはむろん素晴らしい(こんなにも価値観が多様化した今、それでも多数の支持を集めるというのは並ならぬ努力を要するはずだ)。しかし私はレイドバックしてしまっている。多分こんな音楽を聞きながらおじいちゃんになっていくのだろう。
昼休みの読書は、図書館で借りた大澤真幸編『アキハバラ発』を読んでいた。流石に内容がヘビーなので少しずつ読んでいるのだけれど、この本の中で加藤智大に必要だったものとして「隣る人」、つまり私たちが安心してひとりで振る舞えるようにそばにいる人が必要だったのではないかという説が説かれていた。これは重要な視点ではないかと思った。私自身、くどく書いてしまうが今のように前向きに生きられるようになるには数々の人々との出会いと、その人たちがどんなブザマな私をも受け容れてくれるという信頼があったからこそと思うからだ。彼に寄り添う「隣る人」が居ればと思いを馳せる。
夜、ZOOMでのミーティングで「ファーストスター」に関するレクチャーを聞く。私の専門外のジャンルの話だったのでとっつきにくく感じられたところもあったが、親しみやすい語りと表現で発表が行われていたので面白く聞かせてもらった。私は文学的想像力に毒されているせいか、私自身がまさに宮澤賢治『銀河鉄道の夜』の主人公ジョバンニになったような気になった。あの名作の冒頭の銀河(だったと思う)の講義の場面を思い出したのだ。この盛夏、宮澤賢治を読み返すのも悪くないかもしれないなと思った。あるいは賢治にオマージュを捧げた高橋源一郎の作品も。
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