最強すぎて追放された【最強】スキル持ちの最強魔剣士、〈最強〉を目指して最強に険しい道を進み真の最強に至る
土偶の友@転生幼女2巻発売中!
第1話 追放
俺は山をトボトボと1人
「なんで追放なんだろうなぁ……」
少し前に、俺は一緒に最強のパーティーを目指す。
そう誓っていた仲間たちから追放宣言を受けたばかりだ。
長い間一緒に頑張ってきた。
森にはベヒモスを討伐しに行き、海にはクラーケンの討伐。
皆で戦い、倒した時には喜び合った。
俺はそんな大事だった仲間から追放されたのだ。
「はぁ……しかもファイアードラゴンを倒しに行く前だって言うのに……。なんでなんだ……」
俺は久しぶりのショックで、中々足が進まない。
「はぁ……でも……倒さない訳にはいかないしな……」
このドラゴンは時折近辺に降りてきては馬車を襲っているらしい。
なので物流もかなり減り、街は困っている。
さらに追い打ちをかけるように、この近辺に盗賊が出るらしい。
ドラゴンが近くにいるということで、
だから俺達がやろうとしたのだけど……。
『シュタルお前を追放する! お前と俺達の強さはもう違っているんだよ! いい加減分かれ! もうお前とはやってられん!』
少し前に話していた仲間、〈至高の剣〉のメンバーの言葉を思い出す。
「はぁ……どうして……。こんなことになっちまったのかなぁ……。俺はただ最強を目指していただけなのに」
俺は最強になる。
そう誓って、ここまで来た。
そして、仲間達も同じように考えていて、お互いに誓い合ったから一緒にいた。
なのに……。
「はぁ……」
1人でも何とかドラゴンを倒すべく山を登る。
そうしていると、かすかに少女の叫び声が聞こえた。
「来ないでー!」
「これは……」
俺は意識を切り替え、急いで声のする方に走る。
いつでも剣を抜けるように構えながらだ。
少し走った先に、1人の少女が走っているのが見えた。
その後ろには斧や剣を持った見るからに盗賊といった男3人が追いかけている。
俺はその間に入り、両者を止めた。
「どちらも止まれ!」
「!?」
「なんだこいつは!」
「俺はシュタル。最強を目指す魔剣士だ。とりあえず話を聞こう。話を聞かねばどちらが悪いか分からんからな」
「た、助けてください!」
見るからに奴隷の服を着た美しい少女がそう叫ぶ。
彼女を見ると、耳はかなり長い、エルフという種族か。
金髪はきらめくように美しく、瞳はエメラルド色で綺麗だ。
俺は思わず彼女の姿をまじまじと見つめてしまう。
ぽつりとこぼす。
「リーサ……」
「邪魔すんじゃねぇ! やっちまえ!」
盗賊の声に俺は意識を現実に戻し、奴らの方を向く。
盗賊たちはいかにもなセリフを言って、剣や斧で切りかかってくる。
「なるほど、どちらが悪かは分かりやすくていいな」
「死ねい!」
俺は腰の剣を一瞬で引き抜き、盗賊達の首を切り飛ばした。
「は……?」
奴らは切られたことに気付くことなく、地面に倒れる。
自身の倒れた体を顔が見た時には、既に手遅れだ。
俺はそれを確認して、少女に手を差し出す。
「大丈夫か?」
「え……ええ? な、なにを……したんですか?」
「首を切り飛ばしただけだ。見えなかったか?」
「かすかにしか……」
「なるほど」
意外と素質があるのかもしれない。
彼女は頭を下げてお礼を言って来る。
「あ、あの! 助けてくださってありがとうございます!」
「気にするな。ちょっとした狩りの途中だ。そうだ。せっかくなんだ、街に連れていってやろう」
「いいんですか!?」
「ここで放り出したら魔物のエサにされるだけ。狩りに行ってからになるがいいだろう?」
「はい! もちろんです!」
「よし。ではいくか」
「はい! よろしくお願いします!」
「ああ」
そう言って俺は山を登る。
少女は不思議な顔をしていたけれど、何か分からないことがあるのだろうか。
少し考えて理解する。
「俺の名前はシュタル。お前の名は?」
「あ……私はリュミエールと言います」
「リュミエール……いい名だな」
「あ、ありがとうございます」
「そういえば、どうしてあんな所にいたんだ?」
「それなのですが……実はエルフの里で一人前と認められまして、それで一人旅を始めたんです」
「おお、凄いじゃないか」
「はい……ですが、人族は友好的、と聞いていたのですが……最初の街で騙されてしまって……奴隷に落とされてそのまま売られる所だったんです」
「……それは大変だったな。街まで安全に送ってやる。心配するな」
「はい! ありがとうございます!」
そういう彼女の笑顔はまぶしい。
流石エルフ。
「ところで……どうして山を登っているんですか?」
「決まっている。狩りをする為と言っただろう? ここまで来たんだ。せっかくなら狩ってからいきたい」
「なるほど。でも……ここの山の頂上にはかなり強いファイアードラゴンがいると聞きましたよ?」
「そうなのか? 俺の狙っている奴だと丁度いいな」
「丁度……いい?」
彼女が首をかしげるのも様になっている。
流石エルフだ。
普通の街でほとんど見ないからこそより際立つ。
こうして話しながら歩いていれば、相手も気が付くだろう。
「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
ファイアードラゴンが、俺達の前の前に立ちはだかっていた。
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