ある日仕事で疲れていた突然、人公のもと突然へやってきた「メイドさん」。彼女を雇った覚えも、尽くされる覚えもない主人公。しかし、荒んだ心を癒やしてくれるメイドさんが居る状況をゆっくりと受け入れていく。そうして、いつしか欠かせない存在となったメイドさんにはとある秘密があって…。
二人称、かつ丁寧な“口調”で語りかけるように進む物語。その独特な文体が全体を優しい雰囲気で包み込み、まるでヒロインであるメイドさんの雰囲気を表しているようでもあります。
彼女と過ごす甘い日々も、社会人の読者には特に刺さると思います。仕事で疲れて帰ってみれば、優しく包容力のあるメイドさんが待っていてくれる…。まさしく、夢のシチュエーションと言ってもいいのではないでしょうか?
もちろんメイドさんにも思うところがあるわけです。なぜこの家に現れたのか。なぜ主人公に尽くそうとするのか。“夜にだけ現れる理由とは…。
それらが、話しが進むごとに少しずつ明かされていき、甘やかな日々に隠された秘密を覗き見ることができました。
ヒロイン、シチュエーション、どちらも魅力的で、それを引き立てる優しさや柔らかさのある文章。読み物としても、また、聞くものとしても、魅力的な作品です。特に、とメイドが好きな会社勤めの方。読んで、聞いて、癒されてみませんか…?