第8話

 研究。

 それは僕の日々の生活を大半を占めるようになった。

 今進めている研究は不老化についての研究、戦闘魔法についての研究、己を強化する薬品や魔道具などの研究を行っていた。


「クソ……これもダメなのか」

 

 それらの研究の中で最も僕が重要視しているのは不老の研究だ。

 不老の存在。

 僕の知る限りその存在は二人だ。

 その人物とはマキナとリーゼの二人。

 二人を僕の考えうるありとあらゆる角度から検査し、不老不死である理由を探り、その理由を突き詰めたのだが、その方法は今の僕には適応できないものであり、研究の価値なしとして研究を凍結。

 

 僕が聖神の加護を受ける勇者に転生していなかったことを心の底から忌々しく思いながら、別角度からの不老不死を研究しているのだが、あまりうまく行っているは言い難かった。


「肉体の老化を強引に止めても脳の劣化が凄まじい。時空操作魔法もあまりうまく機能するとは思えない……停止させるのがあまりにも無理ゲーすぎる。これじゃ、攻撃、防御手段にしかなってない……過去の状態を現代に持ってきては……」

 

 この世界からありとあらゆる財宝と道具、素材を使っての研究。

 僕がこの世界の支配者だからこそ出来る予算度外視の研究でさえもうまく行っているとは言えない。


「ふー。落ち着け。こんなにがばがばで不安定な世界なんだ。裏道がかならずあるはずなんだ……ッ!」

 

 僕は一人、誰も知らない場所で研究を続ける。


「あっ。もうこんな時間だ。部屋にいるマキナのもとに向かわないと。今日も研究の疲れを癒してもらお」

 

 僕は研究を切り上げてマキナのいる部屋へと向かった。

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