第7話
「ふわぁ……」
僕が魔法で疑似的にインターネットとAIを再現して仕事の量を激減させた僕はようやくのんびりとした生活を送ることが出来ていた。
「アルは本当に凄いね……ここから見える景色がどんどんきれいになっているよ」
ベッドに寝っ転がっている僕の隣にいるマキナが部屋にある窓の外を眺めながら呟く。
僕の目には夜空に輝く星しか見えないが、異常なまでの視力を持つ彼女の目には発展した人間社会の様子を捉えているのだろう。
「ふふふ。まぁね。元々魔界の統治も行っていたし、これくらいは余裕だよ」
異世界の知識。
それを活用して時代を世紀単位で強引に進めている。
ちゃんと後々の世代に歪が発生しないように満遍なくすべての技術開発、研究を行っている。
今では銃や大砲も配備され、魔王軍の質はさらに上がっている。
これならばたとえ人間が反乱を起こしても簡単に叩き潰せるだろう。
「さすが私のアルだね!……私のだからね?」
マキナが視線を僕の方に向け、告げる。
彼女から少し、暗いオーラが見える。
「ふふふ、うん……僕はマキナのものだよ。未来永劫。死んでもね」
僕は嫉妬している可愛いマキナのもとに向かい、彼女を後ろから抱きしめる。
「ふにゃ!?」
マキナを後ろから抱きしめた僕をマキナは軽々しく
身長の低い僕と身長の高いマキナだとこの態勢が一番しっくり来てしまう。
「そうだよ?アルはマキナのものなんだから……マキナ以外見ちゃダメなんだよ?」
マキナは僕のことを痛いくらいに抱きしめてくる。
「……なのに、アルの隣にはいつも女の子がいる……その言葉は嘘?」
「嘘なんかじゃないよ。僕はマキナを愛しているから」
僕はバキバキに折れている自身の腕に回復魔法をかけながらマキナの方に視線を送り、その可愛い唇に自分の唇をつけて舌を入れる。
この世界の互いにキスをしている男女の、同性の誰よりも……マキナと熱いキスを交わす。
「ふふふ」
僕は笑みを漏らし、マキナの方へと体重を預けた。
夜は明かりのもと。
更けていく。
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