第9話
「うむ。アルビノじゃ」
僕の言葉。
それにリーゼさんが頷く。
「へぇー。青い瞳のアルビノなんかもいるんだね。全員等しく赤い瞳だと思っていたよ」
「……」
「……」
僕は自分の思ったことを素直を声に出した。
「……え?そ、それだけなのじゃ?」
僕の言葉。
それに対してリーゼさんは困惑の声を漏らす。
「うん。それだけだよ」
僕はリーゼさんの言葉を前に頷く。
「こ、こう……もっと他にない……のか?アルビノは宗教的にまずいのじゃろ?」
「あいにくと……僕は自分を助けてくれなかった神を慕うつもりはないよ。何もしてくれない神を信じて死ぬよりも神に唾を吐いて生きることを僕は選ぶよ。それに、宗教観でいえば僕もまぁまぁ問題なことをしているからね。詳しくは絶対に言わないけど」
「そ、そういうものなのかじゃ……?」
「うん。そうだよ」
僕はリーゼさんの言葉に頷く。
「何もこの世界の人間全員が宗教にのめりこんでいるわけじゃないからね。別にアルビノに何か個人的に思うことはないよ。僕は」
「……そうか、そういうものなのじゃのぅ……」
リーゼさんが僕の言葉に頷き、深々と声を漏らす。
「それで?……アルビノってことはわかったけど、他の情報は一切ないんだけど……そこらへんもちゃんと教えてくれるんだよね?」
「えぇ。もちろん……ちょっと話は長くなるけどいいかしら?」
「うん……というか聞く以外僕に選択肢はないでしょ?」
「え、えぇ……まぁ、そうなのけど一応聞いとこうかなって思って」
「誘拐犯の言葉とは思えないけどね」
僕はミリーナさんの言葉に素直な感情を漏らした。
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