第31話
五大公爵家のうちの四つの公爵によって攻め立てられていたアースライト公爵家。
絶望的な状況だったのだが、持ち前の他を突き放す脳筋戦力に加えて、徹底したまでの防衛戦で攻勢を防ぎきり、今、攻勢が少し下火となっていた。
そんな状況で今、僕はアースライト領の改革に挑んでいた。
改革しなくちゃいけないことはいくらでもある。
そんな改革の途中で。
「なんでこんな改革をやる必要があるんだ!」
めちゃくちゃありえない角度からの批判を受け、困惑していた。
「は?領地良くすることは当主として当たり前のことでしょ?領民が飢えて死ぬのを良しとする当主なんてありえない」
「何を言うか!」
僕の言葉。それに対して激高する魔族。
「死ぬのはそいつが弱いのがいけないッ!そいつらが悪いのだッ!弱者に救済など要らないッ!」
アースライト公爵領に仕える脳筋兵士たち。
改革を行う僕に対して彼らは弱者を救う必要ではないと強く訴える。
脳筋である彼らにとって弱者である民衆などどうでも良いのだろう……優れた家に生まれ、努力出来ただけの彼らは心の底から自分たちの怠慢が現状を作っていると信じているのだろう。
「はぁー」
どうやらこれがこの領の……軍人たちの総意であり、この街に巣喰らう病魔といいうわけだろう。
僕に対して認める姿勢を取った彼らの多くが……僕に対してそう訴えてくるのだ。その病魔はかなりのものだろう。
「そこで治れ、蛆虫共。とりあえずお前らに対して教育してやる」
僕は針を一本手に持ち、ゆっくりと立ちあがった。
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