第12話

「さてバースよもう他に伝える事もないだろう?それに今日の談吾の訓練はお主の当番なのだろう?それなら今日はワシが談吾を借りてもよいな?」

アルフォート様からの矢継ぎ早な言葉にバースさんは呆れた表情で

「はぁ~仮に私がダメと言ってもきかないのでしょ?それとも昔の様にまた無理やりが宜しいですか?」


「昔の事を今言う事はなかろう!とにかく今日はワシは談吾と大事な話があるのだ!」


「どうせ日本の話なのでしょ?もう好きにしてください、ただ談吾さんに無理させたらダメですよ!いいですか?アルフォート様」


「わかっておる!」


バースさんとアルフォート様の話し合いは終わったようだ。


「バースさんオレは良いですよ、アルフォート様が何を聞きたいのかわかりませんが日本の話なら分かる範囲でなんでも答えますよ。

むしろオレもなんでアルフォート様が日本に興味があるのか知りたいですし」


「なら1からご説明しましょう」

とアルフォート様ではなくバースさんがこたえた。


「アルフォート様の御先祖様に日本からの転生者の方がいるのです。その方の残した本がありまして子供の頃のグランデ君はそれを大層楽しそうに読んで居たのですよ」


「コラッ!バース!グランデ君はやめろ」

アルフォート様が慌てて止めるがオレはハッキリと聴こえてしまった。


「あの…バースさんとアルフォート様の関係って言うのは?」


「私は今はアルフォート様の側近ですが昔はグランデ君の家庭教師をしていたのですよ」バースさんはニヤッとして答える。


「バースさんは一体何者なんですか?」

「神眼で見てもいいですよ」

バースさんの許可が出たので神眼で観てみる事にする。


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バース・ロール・ホワイト 380歳

種族 エルフ レベル300

HP2140 MP3210 攻撃力200 防御力180

素早さ1830 知力3800

スキル

弓術(極) 剣術(上) 必中 心眼 気配遮断(極)

魔法 適正属性 氷 風 光

アイスアロー(極)ウインドカッター(極)

ライトソード(極) アイスブラスト

マジックドレイン

固有スキル

先祖返り 不老 スキル反射

称号

先導者 約束を守りし者 森の主

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うわぁ~これまたあからさまなチートキャラじゃないか!!

色々ありすぎて何からツッコミを入れたらいいかわからん。


「バースさん何から聞いたら良いのかわからないんですが?それとも全部聞いた方がむしろいいですか?」

オレは若干引きつった表情で言った。


バースさんは笑いながら

「見ての通り僕はエルフでね長命なんだよ。」


「いや確かにそこにも驚きましたけどそれだけじゃないですよね?」


「僕のステータスで特別説明が必要とするなら固有スキルの『先祖返り』と称号の『先導者』かな。このふたつの説明である程度は解決出来るよ。」

「まず先祖返りだけど長く生きたエルフや神に認められたエルフは『ハイエルフ』と言う種族になれる事があるんだけど、このハイエルフは半分神様見たいもんでね色々と能力が壊れているんだよ。でそのハイエルフの先祖返りが僕なんだよ。だがら僕はただのエルフだけど適正属性が3つあったり『不老』なんて固有スキルも持っている、知力の高さもそれだね。」


「なるほど理解はしました。ただ質問があるのですが覚えている魔法の種類が少ないのはなぜです?適正属性の多さや知力の高さを見るともっと沢山覚えていると思ったんですが?」


「あぁそれはねあえて見せていないだけだよ。適正属性の範囲で覚えれる魔法は全て覚えてるいるけど、多すぎるからよく使う物だだけを見せてそれ以外は伏せているのさ。

ステータスを見せる時の範囲は任意だからね?それと一応言っておくと談吾さんの神眼でも見れないのは僕のスキル反射のせいだと思うよ。」


「スキル反射ですか?何となくの想像はできますがそれでオレの神眼を防げるのですか?」オレの神眼は神様も持っている言わばチートで隠蔽や無効は行かないはずだ。


「それはね無効や隠蔽でなく反射っと言うのがミソだね!少し説明するね。

そもそもスキルは使用と効果の発動が一緒にされると思っている人が多いけど違う。

正確には①スキルの使用②スキルの対象選択③スキルの効果発動 この3の流れがあってスキルの効果が発揮される。普通は何も抵抗がないからこの流れを知らなくても問題ないしむしろ知らない人が普通だね。

だけど世の中には稀に無効や反射なんかのスキルを邪魔するものがある。

無効はさっきの説明の③の段階で効果を無くしているつまりスキルの対象にはなっている訳だ。で反射は②の段階で弾き返している為にそもそもスキルの対象になっていない。」


「それでオレの神眼でも普段バースさんのステータスがそもそも見れなかったんですね」

オレはこの1ヶ月でバースさんのステータスを何度が確認しようと試みたが1回も見れなかったのだ。


「確かに神眼はすごいけどそもそも対象が取れないなら何も無い空間にスキルを使うのと一緒さ。」


「でもスキル反射があるなら無敵じゃないですか?魔法しかバースさんには効かないって事ですよね?」


「そうでもないよあくまでスキル反射は僕に対するスキルを反射するものだからね。剣術や槍術のスキルは自分自身に効果を発揮するスキルだから普通に武器による攻撃も効くよ。後メリットの部分だけが見えているけどデメリットもあるよ、回復や能力を上げるスキルなんかも反射してしまうからね。」


「そうなんですね。それでもバースさんが十分すごい人って言うのは理解しました。」


「次に称号の先導者の説明だけど、僕は歴史に名を残すよう人達の先生だった事が多くてね。グランデ君や談吾さんの様にね。」


「それでさっきのアルフォート様とのやり取りがわかりました。」


アルフォート様が口を開く

「バースは今はワシの側近として傍に居てくれるが昔はワシも談吾と一緒でバース先生に色々と教わっていたので頭が上がらんのだ」


バースさんがオレに対して

「それで何となくさっきまでの話の説明にはなったと思うけどどうですか??」


オレはまだ聞きたい事はあったがひとまずは

「大丈夫です。他に聞きたい事はまた今度改めて聞きます」


アルフォート様の日本好きやバースさんのステータスなど濃い話が多くて、国王との謁見の話が霞んでしまったなぁとオレは心の中で苦笑いしていた。



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