勇者にも魔王にも興味はない!オレはラクに楽しく生きたいだけだ!
自宅警備員カワウソ
始まり
「いやぁ~ごめんねぇ。あとおめでとう!」
目の前にいる銀髪の少年がそう言うがなにがなんだかよくわからん…
起きたばかりで寝惚けた頭で状況を整理してみるか……
先月の2月に36歳になった独身のオッサン。
18年勤めたブラックな会社を遂に辞めて、開放感と先行きの不安感でふわふわした精神状態で家に帰ってた所だったのは覚えている。
しかしその後の記憶がない…
周りとを見渡すと何もなく真っ白な空間、
銀髪の少年はイスに座っているが自分は地面?に座っていた。
「悪いけど状況がよくわからんしどうやってここに来たかもわからん。
説明してもらってもいいか?」
銀髪の少年に声をかけた。
「ええ!いいですよ!丁度説明しよと思ってた所です!その前に確認なのですがあなたは
御手洗 談吾(みたらい だんご) さんでよろしいですか?」
「あぁそうだ」
そう答えると少年は笑顔で頷いた。
「それでは改めて、貴方は僕のミスで死んでしまいました!ごめんなさい!」
そういうと少年は舌を出して(ノ≧ڡ≦)
こんな顔をしやがった。
オレがジト目を向けると真面目な雰囲気で少年が話出した
「こちらのミスで談吾さんを死なせてしまったのでこうしてお呼びして説明させて頂く場を用意したのです。」
どうやらオレは手違いで死に小説なんかの異世界転生的状況にあるようだ。
ラノベやアニメが好きだったので状況の理解は出来たがイマイチ実感がない
「今の状況的に君は神様とかそう言う奴…いや…方なのですか?」
「まぁそんな感じだよ!あと言葉使いは普段通りでいいよ。その方が楽でしょ?
それにさっきも言ったけどこちらに非があるからね。とりあえず話を続けてもいいかな?」
オレは頷いて答えた。
「それでは改めて僕はフィヤ、君たちが言う神様だと思ってくれていいよ。」
「で、ここから詳しい説明なんだけど。
キミは本来まだ死ぬ予定ではなかったんだけど、僕が誤って仕事道具を落としちゃってねそれが道を歩いていたキミに当たってしまって死んでしまったんだよ。」
「つまりフィヤが落とした物がオレに当たってオレは死んだと?」
「そう言う事!ごめんね!」
「言ってる事は分かったけど、そう言う事は良くある事なのか?」
「神様にもミスはあるんだよぉ。
神様は365日24時間不眠不休で仕事をしてるからね。たまにうっかりとかあるんだよぉ」
フィヤが急に死んだ魚のような目で口調が緩くなった
何ともしまらない話し方だが状況は理解出来たし共感も出来る。
「ちなみに仕事道具っていったい何を落としたんだ?」
「すっごく分厚い本だね。詳しくは神的理由で言えないんだけど」
フィヤは申し訳無さそうに答えた。
「神様的理由?まぁ·····言えないから仕方ないな、死んでしまったのは仕方ないし未練がない訳ではないけど諦めもつくし·····
それにオレもブラックな会社に働いていたから過酷な状況でのミスも理解できる。」
「それでオレはこの後どうなる?」
「理解して貰えるととても助かるよ!
君のように慌てず理解が早い人はとても珍しいよ!」
「まず死なせてしまったお詫びとして異世界に転生させてあげるよ!
地球の人間は異世界とか好きだろ?
それに第2の人生を新たに始めれるのはとてもラッキーな事なんだよ。おめでとう!」
「本来は死んでも転生とかはないけど、今回のようなイレギュラーで死んだ場合は転生が可能なんだ。
ただし転生先は死んだ世界とは違う世界になるってルールが合ってね、元の世界に転生する事は出来ないんだ」
「本当はもっと細かい事まで話して上げたいんだけど神様的理由でね、これくらいの事しか話せないんだ、ごめんね」
「わかった。謝ってくれてるし出来ない事は仕方ないからな」
神様にも色々あるのだろうし偉そうにせずに素直に謝ってくれている、何よりラッキーな事らしい……ならばまずは確認しなければいけない事がいくつかある
「ちなみに異世界転生ってなにか特典があるのが定番だがそこの所はどうなんだ?」
転生でしかも神のミスと来ればチートだろ!
これがあるかないからでかなり変わってくる
「もちろんあるよ!転生先は剣と魔法の世界で談吾さんが想像してる通りの所だよ!
でもそんな所に平和な世界の談吾さんを転生させてもまたすぐに死んじゃうし、お詫びの意味がないからね!」
「談吾さんの記憶はそのままで、最低限必要な言葉などの知識と戦闘に耐えれる身体と精神力、後は談吾さんの望む特典を3個まであげるよ。あっ!望む特典って言っても不老不死とか特典を10個にしてみたいな事は出来ないからゆっくりと考えて答えてね。」
どうやら特典はありだし最低限の能力はデフォで付くらしい。
フィヤの態度的にもある程度の融通は利きそうだな
「質問してもいいか?」 「いいよ」
「転生って事だが赤ん坊からやり直しなのか?」
「それはどっちでもいいよ!赤ちゃんからでも15.6歳の丁度良さそう年齢でも」
「オレの想像通りの世界ならモンスターや人と戦ったりするんだよな?」
「そうだね。モンスターは普通に居るしそれらを狩る仕事もある。亜人もいれば盗賊なんかも居るし、人の命は割と軽い認識だね。
ただ国同士の戦争なんかは今の所はないからそこは安心かな?」
これは王道な世界観そうだし、戦争がないなら人の暮らしも比較的安定してそうだ、条件はとても良いな。
その上で必要な特典を考えなければ…
「最後にもう1つ、レベルやステータスとかスキルなどの要素はあるか?」
「レベルの概念はあるしモンスターなんかを倒したり訓練なんかをして経験を得るとレベルが上がってステータスが増える。魔法やスキルは誰かに教えて貰ったり訓練したりで覚えたり、強化されるからレベルが上がれば自然と覚える物ではないかな」
「つまりレベルによるステータスの変動はあるがスキルや魔法は教えてもらったり訓練で覚えれて使い込んで熟練度を上げる仕様って事だな?」
「おぉーやっぱり地球の人間は理解力が凄いねぇ。今談吾さんが言ったまんまだよ」
フィヤが関心した様子で拍手してくれる。
「わかった。特典を考えるからちょっと待ってくれ」
オレはそういうと考え始めた。
レベルは戦闘や訓練であがる、つまりスキルや魔法の訓練をすれば経験値と熟練度が1度に手に入る訳か·····
ならひとつは成長系の特典で決定だな
2つ目に必要なのは身の安全性、おそらく冒険者とかで生計を建てる可能性が高い
戦闘面は訓練次第でどうにもなるが毒や麻痺なんかの状態異常や病気なんかが怖いな
理想は状態異常無効だが少なくても耐性か回復手段がほしい。
最後3つ目は鑑定とか心眼とかそういう系があれば騙される事なんかも防げるし何事にも先手が取れやすい
「よし!フィヤ3つの特典決まったぞ」
「思ったよりも早かったねもっと時間かかるかと思ってたんだけど。
じゃあ談吾さんが考えた特典を教えてくれる?」
こうしてオレの第2の人生が幕を開けた。
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