轟け!鐵輪!!〜中央鐡道學園の日常〜

鐵 幻華

プロローグ 

 「今なんて言った、もう一度言ってみろ!」

 俺のこめかみに黒光りする銃口を押し付けながら男は声を荒げる。 

 4月上旬、それは新たな学園生活の幕開けに心を躍らせ、期待と不安から心臓が高鳴る季節だ。

 実際俺の心臓もドクンドクンと周りに聞こえるぐらい大きな音を出して鼓動している。

 ただ、この胸の高鳴りは期待から来ているものではない、純度120%の不安で出来ている。 

 「だから、その〜、なんと言いますか...... 」

 俺がしどろもどろにそういうと男は俺を突き飛ばして言った。

 「とっとと席に戻れ 」

 痛えよ、何すんだこのおっさん!

 ドンッ!

 「グワッ 」

 俺を突き飛ばした男は声にならない叫びを発してその場に倒れ込んだ。

 「やるじゃない、甲武 」

 倒れた男の後ろから現れた青15号に似た濃い青色のツインテール少女が、黒い軍刀を持ちニヤッと笑みを浮かべながらそう言った。

 「危うく死ぬとこだったわ! 」

 俺は立ち上がりながらそう言った。

 「まあ、その時はその時よ、ね?」

 何が『ね?』だよ!

 もしかして横須賀は命が一つしかないことを知らないのか?

 俺の考えていた完璧な学園生活計画は初日1限目の中盤で崩れ去った。

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