第19話 パーティ
くっくっくっ…真理も祥子も勇者パーティに入ってやんの…
異世界人にも序列はある。
恐らく、勇者、聖女、賢者、剣聖は別格だ。
勇者パーティから『欲しい』と言われれば王や王女とて嫌とは言えないだろう。
これで『正常に戻った』多分あの二人は旅に出れば犯されるだろう。
俺があの時に助けなければ真理は恐らく犯されていた。
助けた事に後悔はない…だが、その後、俺の虐めに加わった事は許せない。
俺がもし、あの時真理を助けなければ…きっと俺は地味ながらも幸せな生活を送っていた。
これは復讐でも何でもない。
『元に戻った』だけだ。
俺が進めたせいか…クラス仲間同士組むのではなく貴族の子息、子女と組む者…お金を貰い奴隷と望む者が多く…友人同士で組むパーティはほぼない。
お前ら馬鹿だな…
お金で買われた人間、見てくれだけで選んだ貴族の子息に子女が本当に頼りになると思っているのか。
何かあったらきっと見捨てられる。
まだ、今迄仲良く過ごしてきた『仲間』の方がまだましだ。
そんな事にも気がつかないなんて馬鹿としか思えないな。
◆◆◆
マリアン王女に呼び出された。
「お呼びでしょうか?」
「そう堅苦しくしなくても大丈夫ですよ、貴方は古の勇者様ですし公式の場所じゃありませんから」
「そう言って頂けると正直助かります」
「今日お呼びしましたのはパーティについてです、リヒト様をパーティに欲しいという異世界人の方が多いので、そのお話です」
馬鹿な奴らだな。
相手の中身も知らないのによく誘えるものだな。
俺の中身は黒木聖夜だ。
性格はそうは変わってない。
だが、この『リヒト』の外見で皆が望む。
俺の中身はお前らが虐めた相手黒木聖夜だぞ…
「そんなに居るのですか?」
「はい、女性同士で組んだパーティの殆どから『聞いて欲しい』というお願いが来ています、更に『現勇者パーティ』からもお誘いがあります」
あんな奴ら誰が組むか。
一緒に組んだら、虐めの事を思い出して衝動的に殺しかねない。
『一緒に組まない』それがお互いの為だろう。
「すみませんが断って頂けないでしょうか?俺が傍に居ると彼女達の成長の邪魔になりそうですから…あと少し考えがあるので彼等とは違った戦い方も考えていますので申し訳ございません」
「別に構いませんわ!パートナー探しはお互いに自由ですから!それにリヒト様はもう手柄を立てていますから『戦わない』そういう選択もありですよ! 旅立たないで此処王宮で暮らす。そんな生活も有りですから」
マリアン王女、顔が真っ赤だ。
確かにこの体『リヒト』は凄く美しい。
だからってこれは無い様な気がする。
どう見ても『城に残って欲しい』そういう気持ちが王女から見え隠れしている。
「そうですね、此処を旅立つ時までに自分がどうしたいのか、決めたい…そう思います」
「そうですね、他の異世界人と一緒に訓練、学んで頂いて、そう考えると、まだ先ですね、ゆっくりと考えたら良いかと思います。」
「はい、そうさせて頂きます」
それだけ伝えると俺は部屋を後にした。
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