【リクエスト作品】ただ、綺麗なだけ

石のやっさん

第1話 毎日が地獄

下駄箱の中には溢れる位のゴミで溢れていた。


これでも、靴があってネズミの死体みたいな生物が入っていないだけまだ良いのかも知れない。

警戒しながら靴を出すと何時も定番の画鋲が入っていた。


ゴミはそのまま、態々捨てない。


だってゴミ箱に捨てに行っても『また入っているから』捨てに行くだけ意味が無い。


だから、捨てるのをやめた。


そのまま教室に向かうと途中紙屑が飛んできた。


固い物じゃないだけ良い。


「うわぁ…こっち見た…気持ち悪い…」


「あんな奴に見られたら、体が腐っちまうよ…」


相手にしてもキリがない…この学校の『生徒全員が敵』なんだから仕方が無い。


泣こうが喚こうが無駄だ。


だから『俺は心を殺す』事にした。


教室に入るが挨拶はしない…挨拶したって誰も返してこないからな。


机には定番の花瓶と花があった…ご丁寧に今日は写真の遺影つき。


机には俺への罵詈雑言が山ほど彫刻刀で彫られている。


机の中は最早カオス…何が入っているのか解らない…異臭が漂ってきている。


だが、俺は敢えてかたづけない。


かたづけても…どうせまた誰かが入れる。


なら、放って置いても良いだろう…最早カオス、異臭が漂ってきているが気にしない。


花瓶と遺影は机から降ろして放置した。



周りは何か言いたそうだが…俺がポケットからナイフを取り出し眺めているせいか、静かだ。


これは俺の僅かな抵抗…俺に何かして来たら『刺すぞ』という最後の抵抗だ。


俺は虐めに戦いを挑んで…負けた。


◆◆◆


俺の名前は黒木聖夜。


名前はカッコ良いが…はっきり言えば不細工。


聖夜の名前母親が好きだったアニメキャラからとったキラキラネームだ。


俺の容姿から考えたらかなり痛い。


俺の背は180位ありスタイルは良い…多分、手足は長く、細マッチョ。


だが、壊滅的に顔が悪い。


簡単に言えばネズミ顔だ…良く漫画に出てくる出歯な奴…シェーと叫ぶ奴とか、お金持ちの癖に主人公の意地悪する奴…あの顔が一番近いな。


簡単にいうなら脇役…それが俺だ。


俺が虐められている原因は、この顔のせいじゃない。


少し前までは、脇役は脇役なりに楽しく過ごしていた。


だが…ある事件を元に俺は『虐め』の的になった。


正義感なんか振りかざさなければ良かった…


今となっては本当にそう思う…


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