第17話暴走する二人、悩む主人公
『ミヤコのせいで腕を組めなかったじゃない!』
「ソフィが邪魔するから手を握れなかったでしょ!」
後方から言い争う声が聞こえる。
おかしいな、二人は相手の言語がわからないのに通じ合っているように聞こえる。
「貴光お兄ちゃん。止めた方がいいと思うの」
手を繋いでいた璃子ちゃんが俺に動けと言ってくる。
「二股はいけないってお母さんが言ってた」
一年生なのに大人だね。そして璃子ちゃんのお母さん何を教えているのかな。
ソフィが転校してきたその日、俺の近所のマンションに引っ越してきていたのが判明した。ソフィのパパさんが引っ越し蕎麦をくれたときは驚いた日本かぶれなのかな。
俺とみやこの班には入らない位置にあるマンションだったのだが、俺が英語を話せるという理由で一緒に登校することになる。
「選ばないと男として駄目だよ」
本当に一年生かい?
「あのね、二人とも可愛いと思うけど俺は恋愛感情は無いんだよ」
「惚れさせたのに責任を取らない男はクズだって」
誰だ!子供にいらんことを教えた奴は。
「すごく綺麗なお姉ちゃんが二人に話してた」
「あいつかぁぁあ!」
みやことソフィは友人とも知り合いだ。あいつ女性には凄く人気があるんだよな。俺とみやこの母二人と仲良くなってるし、父達に不倫を疑われたがきっぱりと父達が好みと言って黙らせていた。
金策の為には必要だからそのままにしていたけど子供にろくでもない知識を教えるなら、股を金属の定規で叩こう。
ここ最近、俺に気が休まる時間はない。
常に俺の周りで二人が言い争っているし、その周囲は俺に二人を止めろと言ってくる。
まあ、流石の俺も二人が慕ってくれているのは理解した。でもなー精神おっさんの俺からすれば、可愛い姪っ子ぐらいにしか見えない。
「どうすればいいのかなー」
ため息が出る。
「情けないね貴光お兄ちゃん」
小学一年生にあきられる俺。
そっかー情けないか、タイムリープしてこんなに困ったことないんだよな。
悩む悩む悩む悩む・・・よし決めた!
恋愛なにそれ?俺は俺のままに人生を楽しく生きていくのだ。俺を慕ってる?よし、巻き込もうではないか。それで去って行ったらそれはそれ、付いて来てくれるなら・・・責任取らないといけないの?
ま、いっか。後で何とかなるさ。
ところで璃子ちゃんは本当に小学一年生だよね?
ーーーーーーー
タイムリープしてから恋愛を意識してなかったから戸惑ってます。
ネジが全部外れているのですぐに暴走します。
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