第13話発見!絶滅したやつが昭和の時代に生きていた
金髪美少女?馬鹿め!それは孔明の罠だ!
「嘘だろ・・・!」
思わず二度見してしまった。
平成の頃には絶滅したと思われる奴を発見してしまった。
しかも俺の住んでいる所は田舎も田舎、それらを見るのも稀だった。
俺が意識した中学の頃には全く見たことがなかった。短い方ならまだまだ現役でいたが、高校生の頃にはそちらもいなくなった。
「これは近づいて見なければ!」
もう止められなかった。
危険はかなりともなってしまう。
しかし今しっかり見なければおそらくあと数年で絶滅するのだ。
タイムリープして最初に天宮に会った時以上の緊張感かもしれない。
ゆっくり近づく。奴等は逃げることは無い。逃げは恥と思っている生き物だ。
「おい、クソガキ何見てんだぁ。殺すぞ」
あと数メートルのところで気づかれた。
正直に話せば何とかなるかもしれない!
「お兄さんたちの着ている学ランのファンです!近くで見せてもらえませんか!」
俺が見たかったもの。それは昭和のツッパリが着ていたドカンとヨーランと呼ばれる変形学生服だったのだ。
あれ?ツッパリのお兄さん達が困惑しているぞ?そうかお金か!くそっ、まだ金策計画が実行されないからおこずかい分しかない。
「今持っているお金はこれだけしかありません。どうかこれで触らせてはいただけないでしょうか・・・」
俺の誠心誠意の言葉になぜかツッパリのお兄さん達は後ずさりする。
おいヤベーガキが来たぞ、ガキからカツアゲしたら先輩に殺されるぞ、見せてやればどっか行くかな。
あれ?なんか違う方向にいってないか。
「おいガキ」
「はい」
一番強そうな人が声を掛けてきた。
リーゼントも綺麗でかっこいい。
「見たら大人しく帰るか?」
「はい、一度だけでもじっくり見れたら満足です!中学生になるまで我慢します」
残念ながら俺が中学に上がるころには、ドカンとヨーランはかなり厳しく取り締まられ絶滅している。そのかわりに短ランとボンタンが台頭しているがあまり好みではない。
お兄さん達も俺が中学生になった時には大人になっている。後輩が憧れているぐらいの夢は見せてあげておこう。
「お、おう。それなら見てもいいぞ」
「本当ですか!」
至福の時間だった。ある暴走族の漫画を読んで以来、ずっと憧れていたのだ。
今日はよく眠れそうだ。
ーーーーーーー
後日
香山先生
「中学校からツッパリの子達が更生したから感謝したいってきたんだけど、なにをしたの?」
俺
「なぜだ!」
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