◆ 百从名鑑 【登場人物紹介】 第二頁 自由市場 篇 ◆
本項「
「
描写から想像していただければ何よりですが、拙文ではその特徴や魅力を十分に形容し尽くせません。
簡単な紹介とともにモチーフとした動物を記載しますので、予備知識として必要な読者さまはこちらをご覧になった上で本編へお進みください。
紹介文には物語の展開や重要な部分が含まれておりますので、ご不要の方は本項を飛ばして本編をお読みくだされば幸いです。
※モチーフになった動物の画像の掲載されているウィキペディア(英文)のURLを併記しますので、よろしければそちらもご参照ください。
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エデン(Eden):
このお話の主人公。
記憶を持たない状態で目覚め、あてどもなくさまよい歩いていたところを彪人のアシュヴァルに拾われる。
彼の元で生き方や人としての強さを学び、自身の出自と由来、失われた過去と記憶を取り戻すための旅に出る。
外見はこの世界に暮らす他の人と大きく異なっており、身体全体を覆う被毛や鋭い牙や爪、角といった器官も持ち合わせていない。
温厚な性格で他者への共感性に優れる半面、突然思い立ったように行動する向こう見ずな面も持ち合わせている。
彪人の女たちに見立ててもらった旅装に、彪人の里長ラジャンから預かった剣を携える。
モチーフとした動物:ヒト
https://en.wikipedia.org/wiki/Human
ローカ(Loka):
このお話のもう一人の主人公。
他者の所有物としての扱いを受けていたが、自由を得てエデンと共に旅に出る。
無口で無表情、自身の感情を表に出さない性格だが時折頑固な一面をのぞかせることも。
雑な切り口の目立つ左右非対称の髪、色は傷んでくすんだ金色。
身体つきは痩せぎすで骨が浮き、以前は少年と見間違えるくらいに凹凸がなかったが、少しずつ健やかさと人らしさを取り戻しつつある。
彪人の女たちに見立ててもらった旅装に身を包む。
その身に人ならざる力を宿しており、視覚によって観測可能な範囲を飛び越え、はるか遠方の光景を知覚することができる。
ラバンとラヘル:
エデンとローカが自由市場で出会う蹄人の男女。
マフタ(Mahuta):
エデンが自由市場で出会う行商人。
種としては
同じ嘴人でも飛行能力を持たない代わりに優れた脚力を有する「南の嘴人」。
口調は荒っぽく一見すると短気で喧嘩っ早いところが目立つが、その実非常に義理堅く面倒見がいい。
相棒であるホカホカと二人で大陸中を旅して回っている。
非常に小柄な体格の持ち主で、その身体はエデンの膝丈ほどしかない。
弧を描くように細長く伸びた嘴と長い
衣服はホカホカと同じ意匠の施された袖なしの胴衣。
モチーフとした動物:ブラウンキーウィ(トコエカ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Southern_brown_kiwi
ホカホカ(Hokahoka):
マフタと共に旅をする行商人。
種としては
マフタと同じく飛行能力を持たない代わりに優れた脚力を有する「南の嘴人」。
間延びした口調が表すように温和でのんきな性格で、常に正反対の性格のマフタをいさめる役割に徹している。
心根が優しく人懐っこいため、他人を信じやすくだまされやすいのが長所でもあり短所でもある。
どちらかといえば痩身が多い嘴人の中でも珍しい太めの身体が特徴で、幅広で短い嘴の付け根には鼻孔が露出している。
ふっくらとした身体を包む羽毛は緑と黄が混じる。
マフタ同様に衣服は袖なしの胴衣のみ、商品である布類を詰め込んだ背負子を背負う。
モチーフとした動物:フクロウオウム(カカポ)
https://en.wikipedia.org/wiki/Kakapo
先生:
自由市場の準市民区に暮らす学者。
偉そうな響きを持つからと本名を名乗ることはめったにないらしく、周囲の人々からも「先生」の通称で通っている。
かつては大陸中を遍歴する漂泊の学者だったが、幼いシオンと出会ったことをきっかけに自由市場の準市民区に骨をうずめる決心をする。
学問と書物以外に興味がなく生活力も皆無のため、身の回りの世話はシオンが行っており、周囲からはどちらが保護者か分からないと囁かれている。
シオンとそろいの丈の長い長衣と、伸びた口先に挟み込む形の眼鏡を身に着けている。
モチーフとした動物:ガンジスカワイルカ
https://en.wikipedia.org/wiki/South_Asian_river_dolphin
シオン(Sion):
自由市場の準市民区に暮らす学者見習いの少女。
エデンの出会う、自身によく似た姿を持つ二人目の少女。
幼い頃に先生に引き取られて以降、彼の元で学問を学んでいる。
冷静で理知的な性格に見えるが、短気で子供っぽい部分も目立つ。
本人は努めて理論家であろうと心掛けてはいるものの、本心を隠し切れずに感情を表に出してしまう場面も少なくない。
漆黒の髪と桂皮や丁子を思わせる褐色の肌が特徴で、長く量の多い髪は幾つかの房に分けて結わえている。
身を包むのは踝ほども丈のあるだぼっとした長衣と帽子、意匠は先生とおそろいで色は紫色。
極度に目が悪いため、視力を矯正するために眼鏡と呼ばれる道具を身に着けている。
ムシカ(Mushika):
自由市場の準市民区に暮らす少年。
他の子供たち同様に先の見えない現状に大きないら立ちを抱いているが、同時に何とかして自身を取り巻く環境を変えようという強い意志を持っている。
被毛は灰褐色、丸みを帯びた鼻先と円形の耳、鞭のようにしなる細く長い尾が特徴。
身に着けるのは、衣服とも呼べないような擦り切れた継ぎはぎの襤褸。
モチーフとした動物:ドブネズミ
https://en.wikipedia.org/wiki/Brown_rat
鼡人の子供たち:
自由市場の準市民区に暮らす鼡人の子供たち。
父親を失ってなお強く生きるサフリ(Sahuri)とプリン(Pulin)の姉妹、気弱だが仲間思いのバダル(Badal)と頭に血の上りやすいマルト(Marut)の四人。
モチーフとした動物:ドブネズミ
※以下の登場人物二名に関しましては、紹介文に大きなネタバレを含んでいます。
第百五十三話「厄祟」Ⅰをお読みになられた後か、第二章本編読了後にご確認いただくことを強くお勧めします。
ラバン(Laban):
自由市場の正市民区で働く
種としては
閉店後の店先で身を寄せ合って眠るエデンとローカを放っておけず、自宅へと連れ帰る。
口数は多い方ではなく、結果的に言葉足らずになってしまう部分もあるが、実直で非常に慈悲深い人物。
筋肉質のたくましい身体は灰暗色の短毛に覆われているが、鼻先の被毛だけが白い。
細く長い鼻先と、上方に向かって延びた耳が特徴。
モチーフとした動物:ラバ
https://en.wikipedia.org/wiki/Mule
ラヘル(Rachel):
正市民区の居住区にラバンと共に暮らす女。
種としては
身体が弱く一日の大半を寝台の上で過ごしている。
組紐細工を趣味とし、彼女の手による作品は家中に飾られている。
身を包む被毛は茶暗色、細く長い顔を持つラバンよりもさらに面長だが耳は彼より短め。
気配りと思いやりに満ちた女性で、その振る舞いや言葉遣いはどこか気品を感じさせる。
モチーフとした動物:ケッテイ
https://en.wikipedia.org/wiki/Hinny
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