ざまぁされるための努力
@potani
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「もう言いたいことは分かるだろ、ベスと俺らのパーティではレベルが違うんだよ」
そう言われた俺は悲しさ半分とこれからの嬉しさ半分で聞いていた。
自分は転生者である。地球の頃の記憶が正しければこの世界はゲームのようなものであるものの自分には攻撃能力が高いわけではなくサポート側に回ることになってしまっていた。
攻撃能力が低いことから周りからは白い目で見られていたが1つのパーティーだけは暖かく迎えてくれた。それが彼らだった。
リーダーで剣士の男性ボーカ
リーダーの1人目の彼女である魔法使いのドラン
リーダーの2人目の彼女であるタンクのグィタ
そしてサポート兼荷物持ちのベス、自分である。
「でもこのパーティーのサポートとして色々なバフをかけてきただけじゃなく荷物持ちとしても貢献してきたじゃないか」
そうは言ってみるもののこちらの話を一切聞くつもりがないと言ったような白い目で見られる。
彼らとパーティーを組む前に他の人たちから見られていた目と一緒である。実際に寂しい気持ちはあるが前世の頃読んでいた小説ではざまぁというものがあり全く今の自分と同じ状況であり、これからに少しワクワクしてしまったということもあった。
なので自分はパーティーのみんなで泊まってる宿から自分の荷物を持って街に出た。
ここから何をするか、自分の中での案としては超強いパーティーにスカウトされて輝くかソロとして活躍するかのどっちかだと考えている。
ただ他のパーティーに行ったとしてもまた同じようになるはずはないがするなら徹底的にざまぁをしたいのでソロで活動していくことに決めた。
翌日の朝イチから自分は行動を始めた。今日からソロで活動するために武器屋に向かう。武器屋の店長であるおじさんからは前から言われていた弓を買ってみる。今まではパーティーの活動が忙しかったためにソロで武器を握る時間もなかったが、これからは時間がたくさんあるために練習のため冒険者ギルドの練習場で弓の練習を行なっていた。
コントロールはまだ全然ダメだが今まで行っていた付加魔法が弓と相性が良かったため威力はある程度出るようになっていた。しかし、もう少しというところで大きな壁にぶつかっていた。
やはり自分にはダメなのかもしれないと思ったが、自分の目に対して視力強化の魔法をつけることで大きな壁が崩れ落ちた音がした。
これならいける!
そう思い、街の近くの草原に出かけた自分は3日3晩練習した。
かなり強くなったと思った自分は腕試しのついでに前までのパーティーでは途中で諦めてしまったダンジョンに向かうことにした。
ダンジョンでは今までとは違いソロだからか自由に動けることから順調に進んでいた。
しかし、ここからは前のパーティーでは諦めてしまった深層に向かうため気を落ち着け慎重に向かった。
しかし、その気持ちも無くなるほど順調です余裕なものだった。パーティーでの経験を活かし矢にさまざまなバフをつけ相手にはデバフをかけていくことで向かう先敵なし状態であり、わずか2週間ほどでそのダンジョンを踏破してしまった。
冒険者ギルドに戻る際に自分は前のパーティーの奴らになんて言われるのか楽しみながら向かっていた。
冒険者ギルドでは既に元のパーティーメンバーが自分の退会手続きをおこなっていたためやっかみに巻き込まれることはなかったものの白い目では見られることになったが、そのような目もダンジョン踏破の報告と同時に変わった。
少し鼻が高くなった自分は受付の人に前のパーティーメンバーはどうしてるのかと聞いた。すると、あるクエストに向かう前にこの街から逃げるように出て行ったと聞いた。
受付の人が言うには「どうせ無理だと思った」「自分の力を過信しすぎた結果敵前でビビったのだろう」などと言っていた。
しかしこの街にいないんだったらざまぁしたくてもできないじゃないかと思った自分は、しょうがなく今まで関わったことある人たちに祝われた祝勝会という名の飲み会を奢るのであった。
そこから数年の時間が経ち
すっかり街の中堅ちょい上の立場になった自分はざまぁすることなどすっかり忘れ楽しく生活しているのであった。
ざまぁするはずだった側 〜完〜
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