カフェ・ド・ジンジャー

濁烈叫悦のアスラトシカ・ジンジャー

モーニングサービス

 ある朝、その日もそこは静かに扉が開く。中からは香り高い珈琲が自身を強く主張してくる。それはまるで優しくゆする母親のようで、布団から引き剥がす悪魔のようで。

 しかしその悪魔は既に去っている。何故なら、香りが眠気を覚ましてくれたから。


 軽く伸びをする。


 猫が歩く。


 一日が、始まる。

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