異世界転移じゃなくて異世界化!?

晴れ雨

始まり

「異世界転移じゃなくて異世界が転移してきたのか、、、」

俺はそう言葉を漏らした




「ここが旅館か」

俺の名前は月詠零、今年の春に高校2年生になった未来ある若者(友達無しのオタク)だ! 

今俺は住んでいる横浜の福引で当たった温泉旅行で箱根に来ている。ちなみに親戚は俺が高校に入ると同時に全員飛行機事故で死んでしまった。幸い、生命保険と遺産のお陰で大学卒業するまでは普通に生きていけそうだ。


ガラガラガラ

「おー、風情があっていいな」

旅館に入ると木が主体の風情のあるロビーが目に入った そして

「ありがとうございます」

右から50代ぐらいの女将さんが出てきた

「予約していた月詠です」

「月詠様ですね、、、お部屋にご案内しますね」

俺が名前を言うと女将さんは部屋に案内してくれた




「ではご夕食は18時、温泉は深夜2〜3時の間以外は入れます。では、どうぞごゆっくりお過ごし下さいませ」

「ありがとうございます」

女将さんから案内を聞き、俺は一息つくことにした

「温泉は部屋から直ぐか。今は14時だし、、、少し街を観光するか」

そうして俺は箱根の街を観光することにした





「黒卵美味いな」


「硫黄の匂い少しキツいな」


「木刀買ってこー」




このように零は箱根(木刀は箱根以外でもある)ならではの体験をしたのだった そして

「さーて、温泉入りましょ!」

旅館に戻ってきた零は温泉に入ることにして、脱衣所にやってきた

「お!誰も居ない、ラッキー!」

脱衣所の衣服入れには誰の服も無かった

「よし!入ろ!」


ガラガラ

パシャン

チャプン

「ふー、、、熱っつ!!」

温泉に足を入れた零はコンマ5秒で温泉の熱さにそう声を上げた

「ゆっくりと入ろ」


「ふー」

熱さに慣れた零は温泉を堪能としていた

「ここの効能は、、、まー、ありきたりだな」

(にしても、温泉旅行が当たるなんて運が良かったなー、、、これから何か起きないといいけどw)

零がそう考えていると

ザワザワ

「ん? だれか来たな、、、もう出るか」

そうして零は温泉から上がったのであった



「あー! 美味かった」

温泉から上がった零は少しして夕飯を食べ、今は食後に月を見ていた

「にしても、山なのにあんな美味い海魚が食えるとはなー、、、女将さん曰く、鎌倉の市場からその日の朝に買って来て旅館で捌いているらしいけど、、、凄いもんだなー」

そして

「そろそろもう一度温泉行くか、今なら空いてるだろうし」

零はもう一度温泉に向かうことにした



「ふー、、、月が綺麗だな」

零が再び温泉に入りながらそう漏らした

その時だった

ガタガタガタ

「ん? 地震か、、、デカいぞこれ!!」

突然(地震は突然くるものなのでおかしい)大きな地震が起こった

ガタガタ ガタ カタ

「よ、し。収まったな」

地震は15秒ほどで収まった

「にしても変な揺れだったな、、、一先ず上がろ」

零が温泉から出ようとして、右足を湯船から出したその瞬間

[ステータスインストール、、、完了しました]

零の頭に無機質な声が響いた

「は?」

零は突然のことに唖然としたが無機質な声は続いていった

[対象名 月詠零は スキル 鑑定 思考加速レベル1を取得しました]

「、、、俺異世界転移した?」

(ザ・ラノベの展開なんだか)

零は一周回って冷静になった頭でそう考えた しかし

「いや、、、旅館そのままだし、異世界転移した感じではないな」

周りを見渡した零はそう分析した そして

「異世界転移じゃなくて異世界が転移してきたのか、、、」

そう結論を出した だが

「いや、そんな訳ないか、、、そんなことあってたまるか!」

いくらラノベ好きの零でも、異世界が、転移してきたなんでことを受け入れることはできなかった そして

「ひ、ひとまず、さっさと部屋に戻ろっと」

ガラガラ

零は脱衣所に戻って、脱衣所の棚は先ほどの地震で倒れていたので服を出すのには手間取ったが速攻で着替えた。

そうして零は脱衣所の扉を開け、まず左を見たそこには

「普通、、、やっぱり俺が疲れてたんだな」

全くおかしいところは無かった そして零は安心して部屋のある右を見た そこには

「、、は?」

小学生低学年程度の背丈の緑色の生物が女将さんを食べていた

バタン ガチャ

零はそれを確認すると即座に脱衣所の扉を閉め、内鍵を閉めた そして

ガガガ

倒れた棚を扉の前に引きずってバリケードを作った それと同時に

バン

零の存在に気がついた緑色の生物が扉に突進してきたようだ

(待て待て待て! ゴブリン!? 女将さん食われてた?! は?!)

零は今見た光景に混乱していた だが

「落ち着け俺。一先ず、世界が異世界化したことは確定だな」

零はなんとか冷静になった そして

(さっきの変な声を信じるなら、俺はスキルを手に入れたはず、、、となると)

「ステータスオープン」

零がそう言うと



月詠零


物理攻撃 6

魔法攻撃 10

物理防御 7

魔法防御 9

敏捷 8

魔力量  9/9

スキル

鑑定>

思考加速 レベル1>



零の目の前に上の情報が半透明のボードに記されて出てきた

「なるほど、、、」

(これ、、、初期ステータスは自身の身体能力がそのまま適用されるっぽいな。俺筋力無いしなー)

「ん、スキルに説明あるのか」 


鑑定


無機物の情報を得ることができる

自分の力量を超えるものは不可 




思考加速 レベル1


自身の思考速度を2倍に上昇する



「なるほどねー、、、さて、どうするか」

(物理攻撃は恐らくかなり低い、、、魔力攻撃が高いけど魔法使えないんだから意味ない。 思考加速でどうにかするしか無いな)

「部屋に木刀あるよな、、、部屋の窓割って入るか」

そうして零は温泉の垣を越えて部屋に戻った



バリン

「よし! 木刀は?」

窓ガラスを割って零は部屋に入った そして

「あった!」

木刀を手に取った それと同時に

「ギャャ」

窓を割った音に気がついたゴブリンが一体現れた

「さて、、、最初のバトルにゴブリンとは王道だな」

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