人狼館殺人事件
At2Pr
第一話 五年の空白(語り手:あつ)
『あ!みんな来た!ひっさしぶり〜!!』
大きな門を車が潜って、その車から3人の男女が降りてくる。
すて「おうあつ。お久。」
ゆう「あっくん!久しぶり〜!!」
しょう「あつ久しぶり。とら兄は下の駐車場に車停めてくるってさ。」
『おっけ!じゃ先に荷物だけ持って行こ!』
だだっ広い玄関の、部屋が並ぶ廊下の前にキャリーバックを並べる。
しょう「さっきから気になってたんだけど、このホテルさ...」
『ん?ホテル?』
しょう「いや、ここなんか...」
『ここは僕んちだよ?』
すて「は?」
あれ、言ってなかったっけ。
『正確には星屑家の別荘ね。』
ゆう「すごいねぇ...。すごい広いけん、掃除大変と?」
『いや、普段は使用人の人たちがいてくれるんだよ。今日はいないってだけ。』
すて「随分リッチな生活してんな。」
『セキュリティは万全だから。』
まあ、みんな来る時に変に堅苦しい奴らがいたらゆっくりできないと思ってどけといただけなんだけど。
ゆう「あっ...車にカバン忘れてきちゃった。取ってくるね。」
ゆう兄が小走りで駐車場へ行く。
しょう「あ、俺、ちょっとトイレ借りるね。」
しょうくんも、トイレへ行ってしまった。すてと2人きりだ。
あれ以来、すてとは話し辛くなってしまった。まあ、あの時の事は誰も口にしないようにしているのだが。
5年というのは恐ろしいものだ。夏休みに一度も会わなかっただけで気まずさが出るのに、5年もあると姿まで変わってしまう。こう見ると、すては身長が結構伸びてるように感じる。
高校卒業後も伸びるとは...恐ろしい。
すて「...あつ」
『うおっ。ごめ。どした?』
ジロジロと見ていたのがバレたか。自覚してる程睨んでたから、話しかけられた瞬間に変な声が出てしまった。
すて「...お前は」
ゆう「あっくーん!お待たせ〜!!」
遮る様にゆう兄が帰ってきた。その後ろからとら兄もガラガラとキャリーバックを引いて来る。
とら「あつ。久しぶりだな。」
『ひっさしぶり!相変わらずイケメンだねえ(ニヤリ)』
ゆう「でっしょー?やっぱとら兄はいつになってもイケメンやけんね!!」
すて「なんでゆうが自慢げなん。」
懐かしい、いつもの光景。セリフもほとんどそのまま、毎度恒例の流れだ。
5年間空けてるのにその流れを覚えているとは、優秀か?
ゆう「あれ?しょうちゃんは?」
『ああ、翔くんならトイレに...随分時間かかってんな。』
まあ、トイレはそんなかかるもんなんだろう...知らんけど。
とら「俺はここ来るの二回目だけど、全然変わってねえな。」
『そうだ。とら兄は来たことあったんだっけ?』
とら「ああ。確か小学生の頃に...。」
ゆう「こんなおっきいお家やけん、ホテルかと思っちゃった。」
実家はもうちょい大きいんだけど、それは黙ってよう。
しょう「ごめ〜ん!ハンカチ探すのに手間どっちゃってーw」
しょうくんが帰ってきた。
『んじゃ、みんなの部屋に案内するよ!』
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