ファロス島の大建造物
紀元前二八〇年ごろ、アレクサンドリア港のファロス島に、とてつもない建造物が出来上がった。
その高さは、約一三四メートル。その時代では、ギザのピラミッドを除けば、世界で一番高い建造物だった。
その頂上の四方には、海神トリトンの彫像が備え付けられていた(一説にはポセイドンとも言われている)。
そして頂上には、アレキサンドリアの港から五十六キロ先まで照らすことのできる灯りがともされていた。
この建造物の名は、アレクサンドリアの大灯台と呼ばれ、地中海の航海の安全を、それこそトリトンのように力強く守っていたのである。
しかし大灯台は十四世紀ごろに、二度の大地震によって全壊してしまった。
しばらく、人々から大灯台の存在は忘れ去られていたが、一九六八年に海底から大灯台の一部らしいガレキが発見されたことで、その存在が世に知られたのである。
これこそ、神話が歴史となり、歴史が真実となった稀有な例の一つであろう。
ちなみにアレクサンドリアの大灯台は世界の七不思議のひとつとして数えられている。機会があれば、七不思議の他のものも取り上げていきたいと思う。
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