　その愛くるしい姿で人気を博している、コアラ。

　だがコアラの生態を知っている日本人は少ないのではないのだろうか？

　彼らの不思議な生態を簡単に箇条書きしてみよう。きっと、興味がわくはずだ。

　コアラはユーカリの葉だけで生きている。水も飲まない。水分すらもユーカリの葉でまかなっている。

　一日十八～二十時間は眠っている。

　なぜ眠るかというと、ユーカリの葉を消化するため。

　ユーカリの葉は、青酸を含んだ毒素が多い。だが、コアラの腸内の微生物が、それを時間をかけて害のないように消化する。

　コアラはユーカリの葉しか食べないが、好き嫌いはある。ユーカリはおよそ五百種類あり、どの新芽が一番おいしいかを選んでいる。

　普段は緩慢とした動きだが、縄張り意識が強いため、自分の縄張りに別なコアラが侵入すると、見た目からは想像もできないほどに狂暴になる。

　日本での飼育にはとてつもないお金がかかる。その額、一匹のコアラ一年の飼育に、およそ一千万ほど。

　実はお腹にカンガルーのような袋があり、そこで一円玉くらいの大きさの幼児を入れて育てる。

　いかがだったろうか。見た目からは想像もできない奇妙な生態を持つコアラだが、現在絶滅危惧種に指定されている。

　あの愛くるしい姿をこれからも目にするためにも、地球環境をよりよくしていかなければならないだろう。

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