手のひらひとつぶんにたりない
音崎 琳
手のひらひとつぶんにたりない
約束もなき足音に耳澄ますお弁当箱のすみ秋麗
ぽけっとのなか おいしくてつよくなる 手のひらひとつぶんの優しさ
いつの間に賞味期限が切れていた下書きを削除できないでいる
空気にも匂いがあったことなどを忘れつつありカレンダーめくる
まだこれじゃ強度がたりないとけるからつめたくかたくラッピングして
眠りこける母の口からてくてくと昨晩の母一昨日の母
何でもいい、この夜から逃げられるなら溺れるために目も喉も塞ぎ
手のひらひとつぶんにたりない 音崎 琳 @otosakilin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます