第41話 最奥のボスを倒そう
孤児院に帰って来た。
院長とトレットさんに挨拶した後、寝室でみんなと今後の話し合いをした。
スローライフ邪魔し隊と戦っていくのなら、四文字ランク以上のシレモンくらいは倒せるようになっておいた方が良いだろうという結論になった。
というわけで、当面の目標は『学校ダンジョンの最奥のボスを倒す』になった。
「さて、あのボスをどうやって倒そうか?」
「ううむ、そうじゃな。何か良さそうな魔法を探してみたらどうじゃ?」
「誰かが戦っているところを見物する、資料室で調べるといった方法もあるのである」
「なるほどな。では、今日は魔法を探してみようか。シャワイヤーも探してみろよ」
「分かったゲスッス!」
「そして、明日は資料室に行ってみようか」
「それが良いのである」
では、探そうか。
俺はワライトールショッピングウィンドウを出した。
何か良い魔法はないものか?
「奉納部位が知りたいなら、神鑑定を強化したらどうだ?」
サンクトに提案された。
「それもそうだな。確か一〇〇よポイントで強化できたはずだから、やってみようか! ……よし、購入したぞ!」
「おっしゃ! 何かを神鑑定してみようぜ!!」
「なら、神鑑定自体を神鑑定できるか? 儀式の時間がどれだけかかるのか知りたいからな」
「よっしゃ! やってみるぜ!」
サンクトが儀式を開始した。
さて、終わるまで魔法探しをしているとしようか。
「おっ、来たぜ!」
「終わったのか? いつもより短かったな。それで結果は?」
「儀式の時間は一五分だそうだぜ!」
「一五分か。戦闘中には使用するのは難しいそうだな」
もっと短くならないのか?
と思って調べてみると、千よポイントでさらに短縮させられることが分かった。
よポイントをためて、これも買うべきなのかもしれないな。
「ハヤト、ボスは部屋に入らなければ襲ってこねぇみたいだし、扉の前で使えば良いんじゃねぇのか?」
「確かにそうだな。今度やってみるか」
それで分かれば楽になるのだが、そう都合良くいくのかな?
まあ、試してみるしかないか。
その後も、良さそうな魔法を探したが見つからなかった。
シャワイヤーも見つからなかったようだ。
次の日。
俺たちは学校の資料室にやって来た。
では、ボスのことが書いてある本を探してみようか。
おっ、これは!?
『ボスぶちのめそう部が編み出した最高のボス攻略法』という本があった。
ボスぶちのめそう部!?
なんだよ、それは!?
言葉通りの部活なのか!?
血の気の多いヤツがたくさんいそうだ!
物騒な学校だな!?
まあ、そこはどうでもいいか。
この本を読んでみよう。
『学校のダンジョンのボスは、部屋に入った人数によって数が増える。しかし、調査の結果、その数には限度があることが分かった』と書いてある。
へぇ、そうなのか。
そんな法則があるんだ。
『上限は一〇体。それ以上は出現しない』
ほう、なるほど、そうだったのか。
『我々は五〇名の部員を集め、ボス部屋に乗り込んだ』
そんなに部員がいるのか!?
人気のある部活なんだな。
こういう世界だから人気が出るのかな?
『そして、全員でボスの全身をブラシで擦った』
結局ブラシなのかよっ!?
『三七名の負傷者を出しながらも、なんとか勝利を収めた』
かなり出てしまったんだな。
やはりボスは強敵のようだ。
『だが、その後に問題が起こった。記念品が一〇体分しか出なかったのだ。分配方法でもめた我が部は、結局廃部になってしまった。これを読んでいる方、人は欲深いものだ。分配方法には気を付けよう』
えええええっ!?
なんだよ、それは!?
ダメダメじゃないか!?
そんなのあらかじめ決めておけよ!?
結局たいした情報は得られなかったな。
まあ、仕方ないか。
他の本を探そう。
『データがあればなんとかなると思っている部のダンジョンのボス攻略法』という本を発見した。
なんだその部活は!?
どんな活動をしている部なんだよ!?
意味が分からなさすぎるぞ!?
なんとなくだが、眼鏡をかけている部員が多そうな部だな。
まあ、それはどうでもいいか。
とりあえず、この本を読んでみよう。
な、なんだって!?
奉納部位が生えている可能性の高い場所があるだと!?
それはボスの膝の裏側らしいぞ!
そこを苔取り用のブラシで擦れば良いそうだ。
結局ブラシなのかよっ!?
まあ、そこはいいか。
それよりどのくらいの確率で生えているものなんだ!?
なになに、その確率は約三パーセントくらいだと!?
なんだそれは!?
全然高くないじゃないか!?
微妙な情報だなぁ。
他に情報はないのか?
……書かれていないみたいだな。
この本もイマイチだったな。
他のを読んでみようか。
『気合と根性部のダンジョン攻略本』という本を発見した。
気合と根性部!?
何をする部活なんだ!?
まったく想像が付かないぞ!?
まあ、それはどうでもいいか。
ちょっと読んでみよう。
『ボスを倒すには気合で攻撃を避けて、根性でボスの全身をブラシで擦るのが一番良い』と書いてあるぞ!?
なんだそれは!?
気合で避けれるものなのかよっ!?
これはダメだな!?
他の本も読んでみた。
いろいろな方法を試してみたようだが、結局ブラシで擦り落とすのが最良のようだ。
なら、この方法でやってみるか。
ブラシを買いに行こう。
店に行ってみた。
『ボス戦にオススメ! 苔がよく取れるブラシ』という商品が売っていた。
長さ一メートルくらいのスチール製で、お値段は一本一万ジカァだ。
シャワイヤーにも扱えそうだったので二本購入した。
それと水と缶詰も買った。
よし、これで準備は完了だ。
明日、またダンジョンに行ってみよう!
店を出て、孤児院に帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます