(二)-14

 そこで、大雑把に兄が亡くなったことを伝えた。

「そうですか。この先の青山さんも先月亡くなりましたしねえ。このへんも昔と比べてずいぶん寂しくなりましたねえ。三次(みよし)からの汽車も数年前に廃止になりましたし、来年にはこのバスも廃止になる予定なんですよ」

 俺は「えっ、廃止ですか?」と聞き返した。

「ええ。私も来年で七〇になります。それで引退になるんですね。そうするとドライバーがいなくて……」

 母をそのまま実家に残しておくとしたら、この町営バスは生活の命綱だ。コンビニはこの町には役場の前にしかない。なくなると困る。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る