(二)-5
「こんにちはー、内野さーん、西山でーす」と声が聞こえた。
俺はすぐに玄関に行った。
西山と名乗る女性は、俺を見ると笑顔で「あ、こんにちは。町の見守りサービスで伺いました西山です」と挨拶をくれた。続けて兄が亡くなったことについて、形式的ではあるが礼儀に則った挨拶も頂戴した。
気づくと「はあ」と気のない返事を俺はしていた。「見守りサービス」というのが何のサービスなのか、イマイチよくわからなかった。しかし数秒遅れてこの女性は母に会いに来たのだと思いついた。
(続く)
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