第14話

『 ドンッ! 』


「 キャッ… 」



覗いた瞬間、顔に何か硬い物がぶつかって目の前が真っ暗になった。


?・・・


あれ?


ゆっく〜り見上げて行くと・・


白いシャツが見えて、そのボタンが上3つくらい外れていてた。


思わず目をそむけてしまいそうな、まる見えの男の人の胸が目の前に…そこにはキラキラのネックレスがぶら下がっている・・


さらに上を見上げて行くと、耳たぶにはピアスがキラッと光り・・


そして


金色のふんわりウェーブの髪が私を覆い被さるように降りて来た。


と、同時に下から


長い指の先で私の顎が持ち上げられていて…彼の髪が私の頬に触れた。


ちょっとくすぐったいけれど、今は笑う余裕なんて・・・


あるわけない!


「 ヒャッ!? 」


だってこの人…


「 おまえ…何?… 」


たぶん…


「 は!…アッ・・ 」


ど、どうしよう!!?


昨日相原さんたちが話していたコーヨーっていう人じゃない?


・・・たぶんそうだ、私は恐怖を感じ、ガタガタと身体中が震えだした。


この場所にいること自体が過酷すぎて


もちろん、話なんてできるわけもなく……


彼の指に顎が抑えつけられているから


「 な・・なにも・・ 」


聞いてませんし


聞いたとしてもすぐに忘れますから、許して下さい!


とも言えず・・


私は怖くなり彼の指を振りきると、上履きを持ったまま裸足で走り去ろうとした…


でも


足がすくんで思うように走れない…


「 おい!・・ 待てよ! 」


後ろから怒鳴られているような大きな声で呼ばれたけれど・・


「 ヒッ!・・・ 」


み、み、み…


見えない

知らない

聞こえない

何も~ッ!・・


早く逃げなきゃ!


必死に走っているつもりなのに…


いゃ〜んッ!


全然体が前に進んでいない様な気がする〜。。。


すると


後ろから長い腕が伸びて来たと思うと、私の左手首を鷲掴みにされて簡単に捕まってしまった。


更に強い力で手首が締まって行く


もうダメ・・・。。。


力尽きた私はその場にしゃがみこんでしまった。




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