第12話

「 ありがとう! 」


でも〜…私の問いかけに対して、何故か話をそらしているらしいあさひくんなのです。


「 あさひ?・・」


すると・・


あさひくんは、また話を無視して急に滑りだした。


「 い、いくぞ~! 」


「 キャ~! 」


『 スルスルスル~ザザザ~~! ボトッ 』


「 いたッ! 」


「 ハハハッ! 」


「 ふふっ! 」


すべり台の最後で転んで尻もちをついてしまったふたり


いっぱい遊んだ後、帰る時間になると


「 あ~たのしかった!つきみ?またあしたもね! 」


私はしばらく返事をせず、あさひのオーロラ色の目を見つめた後に言った。


「 あさひ?今日はひざの絆創膏、ちゃんと替えるんだよ 」


「 やだ! 」


「 なんで? 」


「 つきみのじゃなきゃ、ヤダ! 」


「 わたしの? 」


あさひ・・


私はしゃがんで、彼の汗と砂でクシュクシュになった、膝の水玉模様の絆創膏を優しく触りながら、あさひの気持ちに嬉しさと切なさを感じていた。


「 しょうがない子、そしたらこれ、ちょっと違うけれど、つきみのやつあげる、だからちゃんとお風呂に入った後、替えてもらうんだよ 」


私はそう朝陽に言うと、ポーチから、マステで加工した絆創膏を取り出して、その小さな手に握らせてあげた。


「 うん! 」


「 じゃあ、また明日!落とさないようにね!

気をつけて帰るんだよ!バイバイ! 」


「 うん!バイバイ、つきみ! 」


わたしのあげた絆創膏を、あんなに気に入ってもらえるなんて・・


『 ザク ・ザ・ あっ・・・』


「 痛いッ!! 」


「 あっ!月美!?やだ、血が! 」


「 やっちゃった~・・・ 」


左の人差し指負傷しました。


部屋でまるすけをお腹に乗せ、人差し指を見ながら、思った。


「 まるすけ? あさひと同じになっちゃった・・・ 」


「 クぅ〜ン 」


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