第51話 銀河の征服者はなんとドM豚でした。これで真のエンディングです。
僕の怒りの鉄拳を食らい吹き飛んだコスモクイーンは、いきなり態度が変わってこちらに媚びるように近づいてきた。
「ふざけるのも大概にしろ! お前のせいで玲やフラン、三日月さん、ナディアちゃんが死んでるんだぞ! 何があっても絶対に許さないからな! 今更命乞いをしても無駄だっ!」
「ご主人様ぁぁぁ、私のスキルなら彼女たちを生き返らせますぅぅぅ。生き返らせますから、どうか私をマゾメス豚として飼ってくださいぃぃぃ!」
……え? マジ?
そんなバカな、と思いながらも一縷の望みをかけてコイツに聞いてみる。
「ホントか? ホントに生き返らせれるのか!?」
「このマゾメス豚めを鑑定してみてくださいぃぃぃ、ご主人さまっ!」
いや、今はご主人さまとかどうでもいいから。
とにかく、彼女を鑑定してみる。
ーーーーーーーーーーーーーー
翔専用マゾメス豚(アリーシャ=ディスレッド)
レベル 1,200,000,000
ジョブ【森羅万象】
ユニークスキル【妄想具現化】
ーーーーーーーーーーーーーー
ていうか名前!
僕専用ってなんだよ!
あと逆だろ!
ふざけまくっているが、レベルは超絶高い。
ジョブの【森羅万象】は、僕のように【リバース】したものとは違いガチで全てのジョブを修得して得たもの。
んで、それを可能にしたのがユニークスキルの【妄想具現化】だ。
これは彼女の妄想を現実のものとできる、とある。
チートすぎじゃね?
そしてそのチートな能力を使ってステータス表記をいじくっているのは才能の無駄遣いすぎて草も生えないよ。
「早く生き返らせろ、アリーシャ!」
「マゾメス豚とお呼びくださぃぃぃぃ!」
「僕に命令するなっ! 早くしろ、マゾメス豚!!」
「ありがとうございますっ! ああっ、言葉だけでっ、イクッ!! ……はぁはぁ、【妄想具現化】、彼女たちの時間は過去に戻る……!」
すると、スタジアムの地面に倒れていた4人がゆっくりと起き上がる。
「動けない…… あ、動ける」
玲が動けるようになった自分を確認している。
ということは殺し合いさせる直前まで時間を巻き戻したのか。
すげーな【妄想具現化】。
時間の巻き戻しって【時の賢者】でもできないのに。
「翔、なぜそんなところに? なぜコスモクイーンが翔に発情しているの?」
玲たち4人が僕のいるところまで飛び上がってくる。
んで、さっきまで起きてた出来事を説明する。
「そんな…… 私たちが死んでいたなんて…… 全然実感ないけど」
「時間を戻してますから今の三日月さんたちは一度も死んでいない状況ですね」
ん?
そんなことができるんだったらなぜ……
「ていうかアリーシャ、【妄想具現化】があるなら自分より強い者を妄想したらよかったのでは?」
「マゾメス豚とお呼びくださいぃぃぃ!」
「はいはい、マゾメス豚」
「ありがとうございますっ! ああっ、その冷めた眼で見られると……、イクッッ!! ……はぁはぁ、えと、私は生まれたときから何でもできて誰にも負けたことがなくて、自分以上に強い人を妄想できなかったんですぅぅ。どうかこのみじめなマゾメス豚にお情けを!」
そう言いながら股を開いて服をずらしてきた。
なんかするたびにいちいちビクンビクン絶頂するのやめてくんないかな。
「やかましい。まずは普通の服を着ろ。そしてお前が迷惑をかけてきた分は関係各所に謝ってきて、壊してきたものはできるだけ直してこい。わかったか、アリ…… マゾメス豚!」
「翔さまの命令口調…… んっ、イクゥッッ!! 終わったら犯していただけるんですねっ! ではイってきます!!」
そういってアリーシャはどこかへ消えていった。
終わったらヤってあげるとかそんなこと言った覚えないんだけど。
それに最後の言葉もなんかおかしかった気がするけど、もう会うこともないだろう。
「カイン、これでそっちの銀河は元の平和に戻るよね、たぶん。だからそれまでと同じく『原始の星』のことなんか放っといてくださいね。それじゃあ」
相手の返事を待たずに僕はテレポートを発動しみんなで家に帰った。
レベルが無限大なので、魔法陣の必要もなく星間移動して帰ってこれた。
◇◇◇
全宇宙を巻き込んだくだらない騒動は終わり、僕たちは普通の生活に戻った。
一人のドMがご主人様を探すため全宇宙を征服してたのに巻き込まれたって、これもうわかんねぇな?
前と違うのは、恋人は4人+αになったことだろうか。
アリーシャは自分の仕出かしたことの後始末を手早く終えた後、僕を追いかけて地球までテレポートしてきた。
また変なことをされても困るし、彼女を抑えられるのは僕だけなので僕のルーティンに彼女を抱くことが追加された。
何でもできるというだけあって、夜伽もバッチリなのはなんか納得いかない……。
玲たちはアリーシャはメス豚枠だから特に気にしないとのことだった。
それでいいの?
御堂さんに話すと、『これで人妻枠も追加か……』とのこと。
アリーシャの同居も承諾してくれた。
相変わらず懐が広い方だ。
どうやってかは知らないけど彼女の住民票もすぐに用意された。
こうして、真に最強となった僕は平穏な生活を取り戻した。
◆◆◆◆◆◆
終わりです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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