第一章の裏話
体が大きくて威圧感あるし、いつも眉根が寄っていて、口をしっかり結んで、機嫌が悪そうな雰囲気だ。
正直、話しかけにくい。
話しかけても、返ってくる言葉が短くて会話が続かない。
だから、めったに話しかけない。
でも、この前、意識がなかった
「この人、誰ですか?」
「もしかして、敵地で気に入った女を 無理矢理 連れ帰ったんじゃ…?」
「断じて違う! 気を失っておるので、放っておけなかっただけだ。」
「ふうん。」
でも、女を連れて
だから、一応、確かめてみた。
「オババ様、この
と、困惑気味だ。
眉毛が下がって困り顔をしている
「なぜ自分のところで引き取らん?」
「我が家のようなむさくるしい男所帯に引き取られては気の毒だ。それに、目覚めた時に私がいては怖がるだろう。」
「まあ、それもそうだが、オヌシ、この娘が気に入ったのではないのか?」
「な、何を!? 気に入ったも何も、得体のしれぬ者ですよ!」
「ふうん…」
オババ様が不敵な笑みを
「と、とにかく、お願いします!」
「ワシは構わぬよ。この娘、面白きカムナリキを持っておる。この世の者とは思えぬ気を感じるな。」
「そうなのですか?」
意識がなかった時でも、
あやかし好きする、強い霊力だ。
――
知り合いの
「立て続けに不思議な出来事があり、まだ処理しきれません。」
まず、これまでに人間には操ることができないと言われていた魔獣を操って、戦に利用した人物がいる。
利用された魔獣は火系の魔獣で、空を飛ぶ
このあたりではめったに見ない珍しい魔獣だ。
さらに、晴天だった戦場がいきなり土砂降りになり、雷が敵方を狙ったように次々に落ちた。
「もしかしたら、この娘のカムナリキのせいかもしれぬぞ。」
「この
「おそらくな。」
オババ様は面白い物を見つけた子供のように好奇心の目を
「
「え? 恋するってことですか?」
「多分な。前にも会っておるようだ。」
「え?え?運命の再会ってことですか?」
私は恋の話が大好きなお年頃なので、少しワクワクする。
「でも、
「そのうち思い出すだろう。」
前に会ってるけど、忘れているってことらしい。
思い出した時に、恋に落ちるのかな。
なんか、素敵すぎる話じゃない?
「でも…恋愛する
「…できんだろうな。童貞だしな。」
―― 即答したな。しかも童貞か。
せっかく恋愛御伽草子のような恋愛物語の本物が近くで見られると思ったんだけど、簡単には行かなそうだな。
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