第130話 ほぼ間違いない

「きゃぁっ!?」


 そして俺という支えが無くなったのに加えて、そのボートに乗った時の衝撃でボートが揺れてしまい、オリヴィアがかわいらしく小さな悲鳴を上げるではないか。


 これがニーナであればワンちゃん転覆狙いでわざとボートの揺れが大きくなるように体重移動していたであろう。


 そして万が一ボートが転覆した場合は『濡れた制服を着たままだと風邪をひきますから』とかなんとか適当な言い訳をして俺の衣服を脱がそうとするだろう光景が容易に想像できてしまう。


 そして、脱がした衣服は回収からの、事前に用意していた新品の制服を俺へ渡して、回収した制服はニーナの夜のおかずへとなっていた事であろう。


 これでまだこの世界では男性に対して自制心が保てている方であるというのだから、いかにオリヴィアが特殊であるかという事が窺えるかと思う。


 もしニーナでもオリヴィアでもないこの世界の一般的な女性であればボートを川の真ん中まで移動させて俺が簡単に逃げ出せない状況を作った上で襲うだろう。


 これが冗談でも何でもなく当たり前であるのだが、ではなぜこの世界の女性たちは普段は自制心が働いているにも関わらずある環境が整った場合に豹変するのかというと『女性の比率が多すぎるからもたもたしていたら他の女性に盗まれてしまう』『男性を襲う罪はかなり重い者の窃盗に関しては比較てき軽いため下着などを目の前にしたら本能を窃盗罪という楔では抑えきれない』『既成事実を作ってしまえば何とかなるかもしれない』などという思考回路から、少しでもチャンスだと思った瞬間にこの世界の女性たちは狩人へ変貌するし、目の前に男性の使用済みパンツがあると盗むという選択肢を我慢することが出来ないのだという。


 ちなみにこれらはニーナから教えてもらったのでほぼ間違いないだろう。


 そして結果、世界では毎日の世に男性がレイプをされて、PTSDを発症してしまい、男性地区から出なくなってしまわれるという痛ましい事件が起きているわけである。


 俺からすればこの世界の女性が多いため逆に羨ましいと思うのだがそれを口にした瞬間俺は間違いなく干からびてしまい死んでしまうので、例え親しい間柄であろうとも絶対に言わないのだが。


「こ、怖かったじゃないのよっ!! 乗るときはもう少し丁寧に乗りなさいよねっ!!」


 故に周囲とのギャップも相まってオリヴィアが可愛く見えて来るのである。 そして俺はその事を何度でも言うし何度言っても言い足りないほどにオリヴィアが可愛いのだから仕方がないと思う。

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