第102話 うん。 可愛いな。
「ひや、ひゃいっ!! ど、どうぞっ!! …………うぅ、噛んじゃったよう……っ。 恥ずかしいっ!」
そして俺はオリビアの事をみんなと同じようにそのままオリヴィアと読んでも良いかと聞いてみると、オリヴィアは顔を真っ赤にして咬みながらも了承してくれるではないか。
その時噛んでしまった事を恥ずかしがる呟きも聞こえてしまったのだが、その部分は突っ込まないでおこう。
そうすれば噛んで恥ずかしがっているオリヴィアを観察できるからである。
顔を真っ赤にしながら羞恥心に耐える女の子って可愛らしく思うし、嗜虐心を刺激されて何か良いよねっ!!
「それじゃぁ一緒に帰ろうか?」
「へっ!?」
だから俺は顔を真っ赤にしているオリヴィアをさらに困らせてやろうと思い、一緒に帰ろうと声をかける。
「ちなみにオリヴィアの家はどこにあるの?」
「へっ!? あっ、そのっ!! えっと……西区にあるますっ!!」
そしてオリヴィアは、まさか俺から一緒に帰ろうと誘われるなどとは微塵も思っていなかったのだろう。 びっくりして緊張もしているのか語尾が『あるます』になっているし、なぜか敬語だしで、俺の心の中の嗜虐心をこれでもかと刺激してくれる。
うん。 可愛いな。
可愛い子にはイタズラをしたくなるというのは前世では良く聞いていたのだが、きっとこういう事なのだろう。 これは確かにイタズラをしたくなる気持ちも分かる。
「俺も西区の方にあるから、どうせなら家まで送っていくよ」
「いやいやいやいや、流石にそれは悪いというか、幸せすぎて耐えられないというか、と、とととと兎に角大丈夫だしゅっ!! …………うぅっ!」
そして別方向だったら校門前までだだから俺の住んでいる別荘がある帝都西区側だったらいいな、と思っていたらオリヴィアの住んでいる家があるのは西区であると言うではないか。 これは行幸。
さらに今回もオリヴィアは語尾を噛んでしまったようでただでさえ真っ赤になった顔をさらに真っ赤にさせて俯いてしまう。 その赤さは頭でお湯を沸かせそうな程である。
『大丈夫だし』って言いたかったのかな?
「流石に女の子一人で帰らせるのは男性の僕としてはできないよ。 ここは僕の顔を立てると言う意味でも一緒に帰ってくれないかな? 本当に嫌なら無理強いはしたくないから引き下がるけど……?」
「…………ひ、卑怯だよ。 そんな事を言われたら断れないじゃんかよ……」
「それじゃぁ、良いって事でいいかな?」
「そう言ってんじゃん……。 こ、こんな幸せな事ってあるのだろうか? まさか夢とかではないよね? それとも明日私は死んじゃったりっ」
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