第11話 高低差ダメージは存在するに決まってる

僧侶「勇者さま勇者さま!」


勇者「どうした僧侶よ」


僧侶「魔王はこのダンジョンの地下みたいです。一気に下って決着をつけましょう!」


勇者「一気に下るといっても、ここはダンジョンの三十階だぞ。どうやって下る気だ」


僧侶「どうって、そこの床に大きな穴があいているじゃないですか。そこから飛び降りるんですよ。一階には大きな湖があったじゃないですか。そこに着水すれば」


勇者「僧侶、これはゲームじゃないんだ。かのヒゲおやじですら高いところから落ちたらダメージをくらうというのに、スペランカーに至っては自分の身長より高いところから落ちたら死んでしまうんだぞ」


僧侶「ヒゲおやじ……スペランカー……?」


勇者「下に湖があるから大丈夫? 一階分が五メートルとして、飛び降りればその時速は六十キロメートルに到達する。時速六十キロメートルの車に轢かれてもお前は無傷でいられるか」


僧侶「く、くるまとは?」


勇者「ほら、地道に階段を下っていくぞ」


僧侶「は、はいっ」

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