そしてあなたに会いに行く?
4.いいかげんにしてくださいよ
新婚、という状態が、公差プラスマイナス?年で
少なくとも旧姓の
この御時世、都内の
そんな
「いいかげんにしてくださいよ、毎日毎日……保育士の先生にも、保護者のママさんたちにも、私、つるし上げなんですよ? 皆さん、四歳児の自覚あるんですか?」
ヨレヨレなベージュのオーバーオールで半泣きする
「いつまでも集団戦を学習しない向こうに問題があります。分断、包囲、各個撃破はイロハのイです」
「んー、あたしたちだって別に、本気でケンカするつもりじゃなかったんだけどさ」
「わ、私たち三つ子ですし、なんとなく、その、協力しやすいと言いますか」
順に、好き勝手を並べてから、長女の
「ごっこ遊びであれ、プニクラは女児のヒーローですから。男児は悪で、断罪するべき存在なのです」
「そんなスパルタンな性差別、してません! 幼児向けアニメを
「
「なんですか、急に……そりゃあ、
「単純に肉体的、運動能力的なことに限定しても、女児と男児の差は、成長とともに開く一方です」
「つまり、同年代の男児を純粋な暴力で泣かす楽しみは、今しか味わえないのです」
「そんな風に育てた覚えはありません! わりと本気でッ!」
毎週クライマックスの必殺技で『父と子と聖霊の名において、天罰執行!』と微妙にミスマッチな決め
「し、心配ありませんよ、お母さん。
「それはそれで、無差別攻撃っぷりが、心配でたまりませんけれど……そう言う
小生意気に、とりなすような三女の
帰りの迎えに行き、園の部屋をのぞいた時、
「私の夢は、ですね! 部屋中を、お花でいっぱいにして……ひらひらのフリルと、レースと、お屋根がついたベッドで! 素敵な王子さまと、ロストヴァージンすることです!」
保育士の先生が顔を引きつらせて、園児たちが聞きなれない横文字に食いついた。
「皆さんのボキャブラリー、全部、私のせいになるんですからね!
「す、すみません。今度は素直に、プリンセスになりたいって言います」
「それなら、まあ……適度に幼児っぽくて、可愛いですけれど」
「ちゃんと計画も考えているんですよ?
「ちょっと、あの、うちは由緒正しい
「プリンセスに、品位と教養は欠かせませんから! 特に理数系をしっかり勉強して、学習院大学の理学部をめざします」
「はあ……?」
「そこでタイミングを見計らって、自然科学研究科に進んで、
「ストップ、ストーップ! そんなガチめの野心、
たまらずインターセプトする
「まあまあ、ママちゃん。
「……そんなこと言って、
「優しくしてあげてるよ?
「
「実はわたくしも、それを踏まえて鎖骨のあたりや胸の下、内股などを、特にねらって攻撃しています」
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