第39話
「冬備えの馬車が、着きました」
司令官室に入って来た兵士が、言った。ガイアン達が砦を出ていって数日が、経っていた。無事に、過ぎていた。段々に日常的な空気も、戻って来ていた。
「早いな!」
「雪の訪れも、早いと見られているそうです」
「いつも通りの、応対で…後で、挨拶に行く」
「承知しました」
既に何日も、太陽を見ない日が続いていた。雲の分厚さは日々少しずつ、増しているかの様だった。
馬車は、二台だった。人々が、集まり出していた。冬籠りに必要そうな物が様々、積まれていた。砦に運び込まれる、物。人々に、配給される物。売り買いされる、物。
辺境である。馬車の到着自体には、心華やがせてくれる感じも有ったが。
意味する所は、冬の到来の前触れだった。
「おたくらの、司令官は?」
御者の一人が、尋ねた。
「後で」
「手紙、有るんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます