　ヤリジュアの住人は、人間が多かった。

　何も発表されておらずとも、3人の傭兵が招かれた事は皆知っていた。ガイアン達が到着した時にも、何となく遠目に見られているのは感じられた。

　いざ、3人が兵士に代わって巡回に出る段となると、さすがに勿論表に出て来て取り囲む様な事こそ無かったが、窓や隙間や物陰から、多くの目がそっと、しかし鋭く向けられているのが分かった。

　3人とも、兵士の鎧を身に付けていた。ガイアンは特に問題無かったが、大柄で筋骨逞しいガルボックと、長身のエルフであるシャウタールは色々、苦労が有った。何とか着込んだ姿も、何やら変ではあった。

　もっともガイアンにしても、鋭い目付き、自己主張の強そうな佇まいは兵士としては、やや異様だった。

　ガイアンとシャウタールは、それぞれ自分の剣を付けていた。ガルボックは兵士の剣を付けていたが、魔術師としては、剣も鎧もいざという時には、脱ぎ捨て取り外すべき物である。

　もっとも、鎧に関して言えばガイアンもシャウタールも、いつでも脱ぎ捨てられる様にしてあった。

　緊張をありありと浮かべたバルキエールが、見た目は一番様に成っていた。

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