第26話

「巡回、一旦止めて頂きたい」


 夕食の席で再び司令官と顔を合わせたガイアンは、いきなり言った。司令官は本来なら自室で食事を取るのであろうが、特別なる仕事を依頼しようという所の傭兵達というのは、客人扱いに相当している訳だった。大きな部屋に卓が用意され、会食する形に成っていた。


「そうしますと…」


「巡回そのものを、無くすというのでは無い…やるのは、我々」


「それは…」


「何者の仕業であれ、どんな理由であれ、はっきりしているのはつまり、巡回中の兵士が、襲われているという事だ…従って唯一の手掛かりは、我々が代わりに巡回する。襲ってくる奴がいるならば、何とかする、しか無い」


「危険です!」


 思わずガイアンは、笑みを浮かべていた。


「それが、仕事だ…安全な所にいながら何となく解決出来るなら、実に有り難いが」


「皆、一人に成った所をやられてるらしいから我々も上手く、一人に成らなければな!」


 ガルボックが、口を挟んだ。


「もしそれで、何も判らずやられてしまったら?」


「最大限用心していって、それでも何も出来ずやられてしまうんだったら俺達も、お手上げだ…相手が、強過ぎる」


「今までの型通りなら、全滅もしない筈…その時は生き残った奴と、どうすべきか改めて話し合いだな」


 再びガルボックが、口を挟んだ。シャウタールもジャフリカも、冷静そうな顔だった。

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