第20話

 案内されたのは、剥き出しの石積みが寒々しい、四人分の寝床を並べるのがギリギリの部屋だった。窓は、小さかった。


「ともかく…どうするんだよ、これから?」


 ジャフリカが、早口に言った。


「話し合いだよ」


 ガイアンが言う「話し合い」には、どちらの酒場に行くか、皆の意見を聞こうとでもいった軽い感じが有った。


「いや、というかさあ…『ガルフォリアの鉄騎獣』だと?自分で言っといて何だけど、信じられねえぜ!というか、本当にあれが動き回ってるんだったら、俺は、逃げる!」


「俺も、逃げる」


 ガイアンの口調は、淡々としていた。


「俺も」


「俺も」


「おい、だがそうなると、金も貰えねえし…」


「そう、だから一人で、頑張ってくれ」


「おい…」


「話だ、話」


 ガルボックが、言った。


「皆、どう思う?」


 ガイアンの口調には、これまでより重みが有った。


「果たして…デアリア、どう関わって来るのか、そもそも、関わっては来ないのか」


 シャウタールが、口を開いた。


「少なくとも、思ってたのと違うな」

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