第2話
ガイアンと呼ばれた男は、立ち止まって首だけ振り向いた。表情は、冷静だった。
いわゆる三大種族、即ちドワーフ、人間、エルフが均等に暮らしている場所というのは実の所、そこまで多く無かったが。
アイカリアは、そういった街の一つだった。北の、要衝。独立都市。雪国の厳しい環境が、街の特質をもたらしたのかもしれなかった。
無法や無秩序も、あちこちに見受けられた。市壁は分厚く、城門は恐ろしげに、頑丈だった。
何本かの大通りと、入りくんだ無数の路地。
行き交う者達は皆忙しそうだったが、逆に言えば、穏やかにしていては此の街では、やっていけないのかもしれなかった。
「友人様!」
足早に近付いて来たのは、細身の金髪のエルフだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます